2001年 ソフトテニス勢力地図

2001天皇賜杯 皇后賜杯 全日本総合選手権プレヴュー

 期日:平成13年9月21日〜9月23日  
 会場:愛媛県松山市中央公園(砂入り人工芝)

 大会速報:日連HPへ

 
東アジア五輪ダブルス表彰式での中堀高川

年の全日本は現アジアチャンピオン、現東アジアチャンピオン、そして前世界チャンピオン、前アジアチャンピオンが出場するという豪華なトーナメントになりそうだ。別に海外から有力選手を招待するわけではなく、国内にそれだけのタイトルがあるのである。こんなことはかつてなかったことであり、大会はそのタイトルホルダー達を中心にうごくことは間違いない。

 その3組というのは、もちろん中堀高川(2001東アジア五輪ダブルスゴールドメダル、平山土師2000アジア選手権ゴールドメダル)、北本斉藤1995世界選手権ダブルスゴールドメダル、1996アジア選手権ダブルスゴールドメダル)である。

 中堀高川がそのなかでも中心だ。
彼等は組んで7年目になり、全日本にはいままで(ペアとして)6回出場しているわけだが、そのうちなんと四回優勝している。6年間にたった2度負けただけ、である。まあ一度の大会では1回しかまけることはできないのだが、大体優勝するには7回かたなくてはならない。ざっと計算して40勝2敗というところか。しかしその2度の敗戦の相手というのが他ならぬ
平山土師北本斉藤なのだつまりそういうことなのだ。

 この3組はしょっ中対戦してそうだが、全日本では必ずしもそうではなく、中堀高川vs.北本斉藤はなんと昨年の1度だけ、中堀高川vs.平山土師も2度あたっているだけである。北本斉藤vs.平山土師も2度だけ。そんな希少な対戦が昨年はいっぺんに2つも実現し、2つともファイナル、内容的にもすばらしくこの2対戦が昨年の全日本の全てだったともいえる(北本斉藤5-4平山土師 北本斉藤5-4中堀高川)。

 中堀高川は先にも書いたように4度優勝(1995,1996,1997,1999)。北本斉藤も4回優勝(内2回は旧ルール。1991,1993,1994,2000)。平山土師は優勝なしの準優勝2(1998.1999)、3位が2(1993,1994)。

北本斉藤は優勝は4だがその他には準優勝も3位もない。中堀高川は準優勝1の3位が1。

前回優勝の北本斉藤。画像は1998年の鶴岡大会より。

 ペアとしてのキャリアでいうと中堀高川が一番短いが、完成度は一番高い。ダブルスゲームは複雑であり、とくにスペシャリストとして役割を分担しているソフトテニスはさらにややこしく、その複雑さこそが魅力なわけだが、それゆえに突発的なポジションチェンジが前衛(あるいは後衛)におきたとき、北本斉藤平山土師クラスですら一瞬混乱することがある。ほんの一瞬だが意志の統一がとれなくなるのだ。中堀高川にはそれが無い。いやあるのかも知れないが、すくなくとも外から見えるような乱れを見せることはまずない。これはやはりペアが同一チーム--NTT西日本中国--でいつもいっしょということが大きい。あたりまえのようだが、実は男子のトップクラスではこういう例は希有といっていいくらいであり、これ程までにペアの完成度というのは高くなるのか、という思いがする。

 

平山土師は昨年のアジア選手権の個人戦ダブルスで申し分のないテニスで優勝した。特に平山選手の強風のなかでのテニスは絶妙で、ことによると彼等のテニスはいまがピークかもしれない。当然東アジア五輪も出場が確定したものと考えていたのだが・・・土師選手に以前のキレがうしなわれつつあり、雑な感じをあたえるが、理屈をこえた信じ難い反応、そしてその時のほとんど奇想天外といっていいインスピレーションは相変わらずで、その1本がゲームを決めてしまう。(→右画像は1998年に準優勝したときのもの、このときは全日本で無敵無敗だった中堀高川を準決勝でしずめたのだが・・・翌年の佐賀大会でも決勝にすすむが、中堀高川にほぼ完敗

 土師選手は東選手との新(臨時)ペアで東アジア競技大会にでたものの、後ろがきになって自分のプレーに集中できない感じで、さすがというプレーをみせながらも、ほとんどいいところがでなかった。当然ペアとしても全く機能していなかった。話しは戻るがダブルスというのはやはりむずかしい。新ルールになってからさらに難しくなった。とくに日本のテニスはパートナーに依存しあう傾向が強いので(いい悪いのはなしではない)信頼関係がしっかりしていないとテニスにならない。

 北本斉藤は新ルール最初の年に3度目の優勝をして以来の6年振りの賜杯獲得を昨年はたした。その間1995年にベスト8があっただけで後の4年間は最終日にすら残れなかったが、べつに力がおとろえたわけではない。モチベーションが完全に世界にいっていたのだ。1995年と1996年に国際タイトルを連覇しており、このときこそ彼等のピークだろう(1996年の優勝は海外でのものであり--バンコクアジア選手権--、これはやはりホームでのタイトルとは重みが違う)。その国際へのプレッシャーから解放された昨年、天皇賜杯をひさびさに獲得したのは決して偶然ではない。 このペアはまだまだいけるし、いってほしい。やはり国際大会にチャレンジしてほしいが・・

話しが前後するが、中堀高川につけ込むすきがあるとすればこれだ。彼等は完全に国際大会モードになっているのだ。多分関係ないとおもうが・・・

 この3組以外では昨年3位の山森・小峯が今期も安定して上位にきており、優勝候補として指を屈するべきだろう。小峯選手はシングルススペシャリストとしてゆるぎない地位を築きつつあるが、必ずそれがダブルスにいい影響を与えるはずで、それが楽しみだ。(→右画像は東アジア五輪での小峯選手)。

個人的には社会人選手権で準優勝と復活してきたかにみえる玉井・紙森も優勝候補にあげておきたい。新ルールになってから天皇杯を獲得したのは3組だけで中堀高川が4、北本斉藤が2、残る一回が玉井・紙森なのだ。ただ、その後このペアは失速気味であり、ここ何年かでこれほど残念なこともなかった。あの優勝したときのテニスが再現できれば結果はあのときと同じになる。玉井選手の光速テニスはそれほど驚異であり、それにピタっとつける紙森選手も地味ながら尋常な実力ではない(玉井選手の光速とはボールの速さではなく、テンポの異常な速さである)。彼等がガンガンでてくれば男子はめちゃくちゃに面白くなる思う(←左画像は玉井・紙森が平山土師を破って天皇杯を獲得し、試合後のあいさつにむかっているところ)。

 若い選手にも期待したいが、いい選手はいるもののどこもペアとしてのバランスが悪い感じがする。 またあの全米オープンで優勝したヒューイットのような覇気のある選手がソフトテニスにはあまりいないのはなぜだろう。 台湾劉家綸などはそのヒューイットサフィンなどとイメージがだぶる。その不敵な面構えとふてぶてしさに。

 

女子も強い組がはっきりしている。まず水上・八谷(→右画像)、金・裏地東・粟村の三組。昨年からこの3組がタイトルをわけあっており、 そこに社会人優勝の河野(←左画像)・鎌田が割り込んできた感じである。

 水上・八谷は東アジアの個人優勝を果たし、いまがキャリアの頂点だが、まだ上にいきそうなムードがある。八谷選手は熊谷選手とのペアで昨年度の優勝者。水上選手は皇后杯は獲得していない。

 世界チャンピオン、そしてアジアチャンピオンと国際個人タイトル2冠の裏地選手は、春から昨年のインハイチャンピオンの金智恩選手とくみ3大会にでて2大会に優勝(札幌国際、東日本)し、健在ぶりを強烈にアピール。金選手は御存じのとおり韓国籍であり、もし優勝すれば韓国人として3人目ということになる。注目の選手である(それにしてもなぜ韓国籍の選手が日本のナショナルチームにはいっているのだろう)。

 東・粟村は昨年の東日本、今年にはいってからは、全日本インドア、クィ−ンズカップと重いタイトルを連勝している。東選手の安定したストロークは健在、というよりグレードアップしている(あの天高く突き上げる「女子商引き」をやめてしまったのだ!!)。粟村選手はそのテニス選手としてのセンスにかけてはおそらく女子ではNO.1。が天才肌にありがちだが、むらがあるし、ディフェンスがあまいような気もする。しかし女子のなかではみていてこれほどおもしろい前衛もまたいないのだ。
 なおすでにお伝えしたとおり、この大会はNHKが収録を予定しており、1週間後にNHK教育で放映されることがきまっている。生放映でないのが残念だが、NHKで全日本が全国放映されるのははじめてのことであり(10年くらいまえには関西地区のみ深夜枠で放映されたことがある。これは大会当日にノーカットで放映)、素直によろこびたい。ただできるだけテレビではなく実際に会場に足をはこんでみてほしい。断言できるのはテレビではその素晴らしいさは10分の1もつたわらないということだ。それどころか欠点ばかりが強調されてしまう。とにかく生でみてほしい。一度でも会場の空気になまでふれたひとなら、次からテレビを通してみても全然ちがった情報を受け取ることができるようになるはずである。

NHK放映予定 9月29日 NHK教育16:00〜17:00

NHKで放映ということで、ここに名前をあげた選手たちに決勝に勝ちあがってもらい、濃厚なゲームを是非見せてほしい。今大会にはそれを一番に期待したいのである。