| 年明けの開催ということで好ゲームのあまり期待できない同大会であるが、ことしも例外ではなかった。一流選手のあつまりであるから、やはり一流のプレーしかできないわけで、見ごたえもそれなりにはあるが、やはり全体としては低調と言わざるおうえないのが残念だ。というのもたくさんの観客がいるからである。もったいない、と思う。
中堀・高川(NTT西日本広島)だけがたとえようもなくすばらしく、結局どのペアも並走することすらできなかった。コンディションもまずまずで、ここが他のペアとのおおきな違い。もっともこれは天皇杯でもかんじたこと。めちゃくちゃに強かったが、彼等が本当にダントツで強いのか?というのが見えにくい(ダントツにつよいと思うが)。というのはいくらなんでも他のペアのコンディションが悪過ぎるので比較ができないのである。中堀・高川の力をひきだすようなペアはついにあらわれず、これも天皇杯とおなじ。
女子は男子にくらべると、コンディションは問題ないが、肝心のレベルそのものがひくい。とにかくテンポが重くてどうしようもない。女子で唯一高いレベルを獲得しているのが水上・八谷(NTT西日本広島)だが、その彼女たち不調だったので、とくにそう感じた。
男子準決勝 北本・斉藤 5-3 山森・小峯
男子でただひとつの好試合。小峯選手がよかった
よかったようにみえた。実際身体がよくうごき、6Gめに見せた逆クロスショートアングルのローボレーや、勝負をかけた7Gめサーブアンドネット時にショートクロスをつかれたところをうすくグリップチェンジしリカバー、さらにポーチにいったところなどは圧巻。これは結局ミスになったがほんの一瞬のあいだに3度の的確なグリップチェンジをおこなっており、素晴らしい---コンチネンタル(サービスグリップ)→ウエスタン(ボレーグリップ)→イースタン<コンチネンタル?>(エマ−ジェンシ−グリップ)→ウエスタン(ボレーグリップ)---。いや間違えたグリップチェンジが素晴らしいのではなくて(これぐらいのことは一流なら当然だ)、北本選手のグッドリターンに体勢をくずされかけながらもなんとかしてしのぎ一瞬にして攻撃に転じた抜群のボディバランス、脚力こそが賞賛されるべきで、彼の能力の高さを示したワンシーンだったと思う。ただ相手のほんとうに厳しいボールに対しては足がついていかないというか、フットワークもラケットワークも大雑把、やはり調整不足か?
山森選手は練習はできてなさそうだったが、やわらかいリストワーク(というかリストそのものがやわらかい)からのテンポのはやい攻撃はおもしろい。ただそれが小手先のものに感じられてしまうのはやはり練習不足だろう。迫力にもおおいに不足。
北本・斉藤は出足わるく、ひどいゲームになりかけたが、じょじょに覚醒、7Gめでのあっと驚くスマッシュフォローがゲームを決めた。「斉藤ここにあり」、という一番。
男子準決勝 中堀・高川 5-2 平山・土師
現在国内ソフトテニス界での最高カードのひとつ。アジアチャンピオンと東アジアチャンピオンの激突でもある。それにふさわしく出足はよかったが、しりすぼみ。中盤から終盤にかけて中堀・高川が圧倒。とくに高川選手が土師選手のスマッシュをバックボレーで倍返ししたプレーが会場をわかせた。平山・土師は昨年の優勝ペアだが4月からの今期は成績がもうひとつ。奮起を期待。
男子決勝 中堀・高川 5-2 北本・斉藤
これは東アジアチャンピオンともと世界チャンピオン、アジアチャンピオンの対戦。しかし会場アナウンスで北本・斉藤はただ東日本選手権優勝と紹介されただけ。いつもこう。インドアでは華々しく?選手の戦績がよみあげられるが、それは今シーズンのものだけ。
北本・斉藤に失礼ではないのか?なぜ彼等が東日本選手権優勝とだけしか紹介されないのか、私にはいくら考えてもあるいは説明されても理解納得できそうにない。大会の選手選考は今年度のおもな結果をもとに選抜するからなのだろうけれど、それが世界チャンピオンと紹介されない理由だとしたら、そんなアホなはなしがあるだろうか。私が彼等の紹介文をつくるとしたら、まず1995世界選手権ダブルス優勝、1996アジア選手権ダブルス優勝、アジア五輪三大会連続出場(1990,1994,1998つまり、あしかけ8年、しかも内2回は予選を勝ち抜いての自力出場だ)、その他国際大会代表歴、次に天皇杯での優勝歴等々、東日本での成績は多分最後になるし、カットされてもよい。
先日あるところで、これほど世界チャンピオンを大事にしない競技はない、と話させていただいたが、ここでも世界チャンピオンは不当に粗末にされている。ソフトテニスはほんとうにメジャーになりたいのだろうか?
さて試合、好ゲームが当然のように期待されるが、中堀・高川が圧倒。出足の9本連取をふくめ、あっというまにG4-0。ここですこしペースダウンし、斉藤選手がいきなり4連続ポイント、そしてこの2G(5,6G)で計7ポイントと大活躍でG4-2。しかし7Gめそっとアクセルをふみ若干シフトアップした中堀組に北本・斉藤はまったくついてこれずゲームセット。あぜんとするような中堀選手の打球力、打球技術がひかり、かっての目標そしてライバルを軽く粉砕した。
すごかったのは3Gめの中堀組のゲームポイント、斉藤選手のストレートポーチボレー、決まった、と北本・斉藤を含むだれもがおもったところを、中堀選手がおそるべきダッシュでフォロー、それを北本選手がストレートパスしたところを高川選手が腕一杯のばしたフォアボレーがサイドライン際にきまりゲームオーバー、中堀・高川が一瞬の集中にみせた本気というか凄みが圧巻。ビューティフル!マーベラス!!インクレデブル!!!「ゲームは一本のラリーできまるのだ」、という言葉が思い出された。
男子では東・川村が腑甲斐無かった。この東京インドアは若手の登竜門としても有名で古くは木口・横江、そして神崎・濱田、北本・斉藤、平山・土師などみな学生時代に当時の一線級をやぶり優勝している。とうぜん東・川村にもそういう活躍を期待したし、生きのいいテニスを期待したのに・・・
女子の決勝は大熱戦、会場もわいたが、これについて語るのは苦痛だ。レベルの低さが熱戦をまねいているような節もあり、複雑である。能力は高く、コンディションもまずまずだが、肝心の技術がない。これはこのページでもずうっといってきた。細かいことをいえば、レベルアップした部分も多々あり、うーん女子テニスも進化しているのだあ、とうなるようなところもあるにはあるのだが、全体的にはまだまだだ。最初にかいたようにテンポも重いがアングルがまったく考慮されていないのは悲しくなるほどだ。決勝はそれだけでながびいたようなものだった。
(大会全体としては)旧態然としたダブル後衛が1チームでていたのもさらにレベルをさげた。あのペアはもう何年もペアをくんでいるがなぜ変化しないのだろう。私にはよくわからない。誤解しないでほしいのだがダブル後衛を否定しているわけではない。昨年優勝した水上・渡邊もいわゆるダブル後衛だ。しかしこちらはるか進化をとげダブルオールラウンダーとなり、輝かしい一勝をあげたのだ。なんという違いだろう。
女子決勝 辻・砂本 5-4 坂下・濱中
皇后杯決勝の再現、展開はまったく逆。内容的にはこちらのほうがよかったし、お互いの持ち味がでていたとおもう。坂下選手は一時みょうに成年ぽいふけたテニスをしていたが、その部分と本来の持ち味がうまくミックスして強さをのこしながら安定した。角度がまったくつかないのにはおおいにもの足らないが、そこを割り切ってやるのもひとつのみちかもしれない。すくなくともまったくテニスに迷いがない(相手が真ん中にたてばどこに打つのかみたかったがだれもやってくれなかった)。濱中選手はとくにサービスが素晴らしい。女子選手では後衛もふくめて最高技術だ。スマッシュもいい。ストロークもまずまず。
辻選手はシングルス選手としての苦労?が着実に実をむすびつつある。まだまだだが将来性はうんと感じる。間違いなくこの日のNO.1ベースライナーだ。砂本選手の評価は難しい。スマッシュを随分たたいたがほとんどポイントにむすびつかなかった。パワーというよりプレースメントの問題、いやその両方、つまりテクニックの問題。しかし、いいところ(大詰め)でのフォロー、ポーチがあった。もっとはやくでていればとは思うが・・・しかし、この選手はらしくなったというか、雰囲気がでてきたとおもう。テニスに限らずスポーツ(いやスポーツにかぎらないが)は経験が重要な要素だが、そういうのがにじみでた風格のあるプレーなのだ。けがに泣かされた選手だが、まだまだいけるとおもう。彼女は有名な砂本四姉妹の4番目だが、砂本家からは3度目2人めのチャンピオン(すぐうえの砂本葉子選手が2度優勝)すごいことだ。いったい砂本家から何度めの日本一になるのだろう。
3位の金・裏地は裏地選手が半分引退状態でかってのおもかげはない。金選手もきめてにかけ、バックハンドはさすがにいいが全体としてはそれほどでもない。
水上・八谷はさきにかいたように不調。そこをおしてかつほどのポテンシャルの高さはない、というところか?ただやっていること、めざしているところはレベルが高い。詰めは甘いが・・・
|