コート外でのウォーミングアップを終えた一流選手が、コートに入り、どのように練習を始めるのか、
を知っている人、あるいは見たことがある人は 、意外に少数派かもしれない。いや少数派に違いない。
他のスポーツにくらべて、トップ選手のプレーに触れる機会が希少、というソフトテニスの特徴、いや欠点は未だに少しも改善されていない。
まずは乱打であることは共通している(ボレーボレーの時もある)。しかし、いきなりベースライン付近で打ち合うわけではなくて、ショートラリー、いわゆるミニテニスから始まる。特に韓国や台湾は、かなり以前から、そのスタイルだった。日本でも、すくなくともナショナルチーム(日本代表)レベルでは、最近はあたりまえになってきた。
やがてベースラインでのラリーに移行していくが、いきなり速いボールを打ち合うわけではない。ゆったりと、たっぷりとした大きなロビングでのラリーからはじまる。ゆったりと大きく、同時に丁寧に、フォームを作っていく、という風である。
意識、無意識を問わず無数のチェックポイントがあるのだろうか。とくに韓国はこのロブを打ち合う時間が長い。
このページでの世界チャンピオン(ダブルス)キムボブヒョンのロブはそうしたラリーでの数コマである。
グリップはイースタン。極めて薄いグリップである。
一般的な握り方でないかもしれないが、膝の送り、ラケットワーク等は参考になる部分が多々あるはずである。 特にテイクバックから深くまげられた右膝、打ち終わっても折り込まれたままの左膝の強さは素晴らしい。
この膝の強さが強烈なシュートボールを生むのである。 ロブの名手でもあり、あのロブの選手ですか、という人もいるほど。
2003年の世界選手権ではロブを多用したスケールの大きなテニスを展開した。
小手先でなく、フォームでしっかり丁寧に打っていることも、当たり前だが、素晴らしい。 つい小手先でいい加減にボールを扱いがちな人は大いに反省!!のこと。
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