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| Paguyo in BANGKOK1998 |
そしてここで重要になるのが,どんな場面で,テニス・コートのどこにスライス・ショットを放つのか,ということだ. 流動的に展開され,時々刻々と変化を遂げる相手プレーヤーのポジションやゲーム状況に対して,
それ以前のゲームの結果を照らし合わせて考え,スライス・ショットの有効性が発揮される場面を理解していること,Paguyoはその点に秀でていると思われた.
それは彼女の体格的なハンディを補うには十分であった. そして,他国の体格的に有利な選手が彼女ほどの技術を身につけたら,恐らくドライブとのギャップをより強く印象づけるようなゲームができるに違いない.
トータルなペア・ワークという点でも,フィリッピン・チームは優れていた. それは,ミックス・ダブルスに顕著にあらわれていた.
シングルス・ゲームにおけるPaguyoの実績に見られるように,フィリッピン選手の活躍はシングルス・ゲームにおいて際だっていた.
今回はエントリーの際に不手際があってシングルスへの出場はできなかったが,ミックス・ダブルスでは実力を十分に発揮していた. あるいは,日本や韓国選手は,ミックス・ダブルスでは実力を発揮できていなかったと言ってもいいかもしれない.
特に韓国選手は,通常のダブルスほどの緻密さはなく,ネット・プレーヤーであった劉永東も金煕洙も強引とも思えるようなプレーが目立ち,
その結果ミスを重ね,挙げ句の果てには明らかに集中力を切らしているのではないかと思われる場面が見られ, ゲームとしては面白みを欠いていた.劉永東ですら,ラケットの先を通され,日本の辻のパッシング・ショットをくらっていたのだから.
それに対してフィリッピン・チームは,ミックス・ダブルスで全く違和感なくプレーしていた. 男女で組んでも違和感なくプレーできるという意味で,フィリッピン・チームはペア・ワークに優れていた.日本の高川・玉泉組は,De
Leon Wenifredo Jr.・Bantay Petrona組に3-1とリードされ,デュースになった時には,本当にあと少しまで追い込んでいた.
その時,日本のスタッフをはじめ応援していた選手達も言葉を失っていた.
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DE LEON
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また,ダブルスでは如何に有利なゲーム展開に持ち込むかということを実行していた. 例えばデュース・サイドでサーブを行う場合,通常そのままクロス展開でゲームが進むことが多い.
この場合,クロス展開でのゲームを嫌ったら,どうしたらよいのだろう? フィリッピン・チームは,このことに対する明確な回答をもっていた.
ネット・ダッシュするネット・プレーヤーは,サーバーの脇に位置取り,そのまままっすぐネットに向かってダッシュするのだ. そしてサーブを行ったサーバーは,左に移動する.
すると,そこにはストレート展開のゲームが現れるのだ. アドバンテージ・サイドでも同様であった. これらのことはよく練習を繰り返しているとみえ,この戦略を採用したからといって,
単純なミスをするようなことはなく,寧ろ自チームの好みのゲーム展開に持ち込めるというアドバンテージを感じさせた.
ミックス・ダブルスにおいてペア・ワークに優れていたのは,他には中国チームくらいであっただろう. またフィリッピンや中国チームの活躍は,個人的に疑問視していたミックス・ダブルスをことのほか面白くし,
参加国数が少なかった大会を盛り上げる重要な要因になっていたようであった.
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1995世界選手権2位のCAO Lei。画像はバンコクアジア五輪から。この頃の中国はほんと強かった。
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僕にとって中国は理解しがたいことが多かった. 恐ろしくうまい選手が出てくるかと思えば,本当にこれがあんなにうまい選手を排出した中国の選手であろうかと,
目の前のプレーを見ながら,その落差に呆然としてしまう大会もある. 例えば,‘95年に岐阜で行われた世界大会女子シングル決勝は,中国選手同士で行われた.
二人のプレーヤーは,明らかにテニス・プレーヤーであった. フィリッピンのPaguyoでさえ当時は,日本の松下選手とただラリーを続けるだけで,
1ポイントが決するまでに10分以上ものラリーが続くという,恐ろしい程につまらないゲームを行っていた. 多くの選手が迫力に欠けたストロークのラリーをただミスしないようにと続ける中,中国人の二人が決勝で見せたゲームは,秀逸であった.
二人は互いにネットにでて,ボレーの応酬となり,「女子のシングルスは長すぎる」と多くの観衆が口にする中,15分ほどで試合は終了してしまった.
残念ながら,その後それほどの女子シングルスを見たことはない.
そんな中国であるが,ここ数年はいい選手がいるものの,満足のいく結果には程遠かったに違いない. 例えばネット・プレーヤーがベースラインからネット・ダッシュを試みた際にファウルを取られ,
それ以降すっかりペースを崩してしまって,全くゲームにならないことがあったり,これがあの大国中国の代表であろうかと, 目を覆いたくなることもあった.ところが,今大会の中国チームは,久し振りに魅力的なチームになっていた.見ていて面白いのだ.
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