チャンピオンのままでいたかった
  --姜志淑引退--

 韓国の偉大なエース姜志淑が今大会をもって引退することになった。すでにバンコクでのアジア競技大会終了時に引退を決意したものの、まだ後継がそだってない、ということで現在まで現役をつづけたらしい。釜山での来年のアジア五輪を目標にがんばっていると思い込んでいた私としては寝耳に水の話しで、なんといっていいか途方にくれてしまった。結婚が決まっているそうで、たいへんおめでたい話しなのだが、やはり残念で、彼女の高い技術がもうみられないとなると、このうえなくさみしい。「チャンピオンのままでいたかった」とは涙ながらに語った彼女自身の言葉。

 ベースラインプレーヤとしてはグラウンドストローカーとしてはやはり最高の存在であることは今大会を御覧になった方はよくおわかりになったと思う。とくにバックハンドの精妙さは溜め息がでるばかりだ。ダブルスでは前衛力にあまりに遜色があり、ほとんど1対3と孤軍奮闘だったがそれでも個人戦の決勝では2連覇目前までいった。

 シングルスでも団体戦では水上選手を0でとばし、ベースラインスタイルでは他を寄せつけない強さをみせた。ただプレヴューでもかいたとおり、スマッシュに遜色のある彼女のプレースタイルは、もはや時代おくれであり、個人戦シングルスではひらきなおり自分の模索してきた新しいスタイルでテニスした水上選手が快勝した。この敗戦は実に象徴的なことではないか。女子のテニスはあたらしい局面にはいっていくのだ。それが日本の先導によったのが実に誇らしい。