第48回 全日本女子選抜 BEST8

             4月5.6日 東京体育館 

 5日の予選に比べ、6日の決勝トーナメントは、あたりまえだが、いい選手がおおく楽しめた。がそれもゲームが混んでた午前中だけのことで、大会が煮詰まってじっくりみられるようになると次第にアラがめだってくる。いい選手がおおいから、レベルが高い、とは限らない。いい選手はたくさんいるのにそれがレベルの高さにつながっていない、というのが実感だ。

 昨年のアジア五輪予選での圧倒的な勝ちっぷりからばく進してきた玉泉・上嶋は初戦(2回戦)負け。負けた相手は早稲田の長・高橋。それにしてもあっさり負け過ぎた感じ。

 長は早稲田の新一年生だが、相変わらず、素晴らしいボールを打つ。ボールクオリティでいえば大西と長が頭抜けている(あっ玉泉もそうだが今回はなかった)。ただ長はテニスの幅があまりにもせまい。テクニックもない。(硬式の)シングルスコートでゲームしているような感じとでもいおうか。特にクロスに一本もいいボールがいかなかったのは不満(逆クロスからはいればいいのに)。

 大西は長よりもさらに凄いボールを打つ。天空に向って開いた特異なテイクバックからのフラットな速球にはぞくぞくする。ロブもめちゃめちゃに速い。が基本的にこの人は後衛としかテニスしないのでポイント力に大いに欠けている。そうなると前衛なのだが、大柄な前田は大事なところでミスを重ね、勝負にならない。永井・坂本(1998皇后杯2位)によく勝ったと思う。

 けがのためインドアシーズンを休んでいた水上選手はまだ試運転状態でなにもいうことはないが、切れのよかった武元・福田には逆転勝ち、意地がみえる。武元・福田は前半の大量リードをまもれなかった。まだ勝ち方を知らないということか。後半は別人のよう。渡邊・掘越はNTT独自の先鋭なテニスでおもしろさは抜群だが、まだ未消化。ただあれだけの観客の前でああいうテニスをみせられたのはいいことだ。

 石川・堂上はうまさだけ、パワフルなところがひとつもない。しかしうまい。レシーブひとつとっても何するかわからない。みていて楽しい。やっている本人達も楽しそう。堂上(旧姓能勢)は相変わらず抜群、くらべられる選手もいない。速いボールは全くとまらないのも以前と同じだが、ポジションのとりかた、立体的なゲームメイク等、うまいなあ、というしかない。厚かましいポジションをとって、スパッ、と抜かれて、やっぱりだめか、みたいな感じの前衛はこのひとだけである。

 東芝の岡本・松村に期待したのだが、松蔭の長谷部・佐伯に苦杯。しかし松村選手の男子なみのスケールのおおきなテニスは国際大会の舞台でみてみたい。このひとにはホントでてきてほしい。女子テニスのイメージを変える可能性を秘めている。

 好調をずうっと維持している佐藤・緒方はまたもや決勝へ。緒方の行儀の悪さはいつもながら閉口するが、レベルアップはしている。とくに佐藤はアグレッシブに打つようになった。じゃないと勝てないと気がついたのか。もともと上手さは抜群なので今後ますます恐い存在かも。緒方もよくボールにさわるが、ボールをつかめないというか、ボールにまったくパワーが伝わっていないので決定力がない。折角薄いグリップでスマッシュにいっているのに角度をぜんぜんつけられないのでフォローに何度もあってゲームをややこしくする。サーブもそう。薄いグリップを全然いかせてない。まだまだレベルアップの余地はおおいにある。

2002皇后杯から金のカット。玉泉、水上、そしてこの金のカットは完成度が高い。

 金・濱田は常に先行されながら、逆転をくり返す。金はタイミングのおそさ、テンポのなさがいつも不満だったが、彼女自身がそれを全然欲していないことにおそまきながら気づいた。ベースラインはるか後方にポジションし、ボールをじっくりひきつけ、敵陣を俯瞰し、慎重にゲームをすすめる。強いというよりは負けないテニスだ。濱田は身体能力の高さが魅力。サーブ、スマッシュ、ボレーどれもパワフルだ。レシーブがいいのも以前から。ただ勝負がおそいし、とんでもないところ、信じられないところでいったりする。あれはなんなんだろう?びびってミスっていうのが多かったひとだが今回はなかった。

 ただこの濱田にかぎらないが、折角の金の良質のカットサーブを生かせない。カットをカットだけで完結させてしまう。もったいないではないか。

2002皇后杯表彰式での金・濱田

 東京インドアの決勝も接戦だった。この決勝もそう。接戦、熱戦だが感動からは遠い。レベルはかなりおちていると思う。

金・濱田は、タカギセイコーとしても、この大会初優勝。ペアとしても初のビッグタイトルになるのかな?

 

6日はたくさんのお客がつめかけた。ここで韓国男子をみせることができれば、と考えてしまうのもせんない。

ダブルス8

  Q-finals    S-finals     FINAL     WINNER 
長・高橋学連-早稲田 5
vs. 長・高橋 1
大西・前田タカギセイコー 1
vs. 佐藤・緒方 2
水上・八谷NTT西日本中国 3
vs. 佐藤・緒方 5
佐藤・緒方ヨネックス 5
vs. 金智恩・濱田瑞紀
高野・柳田学連-東女体 2
vs. 渡邊・掘越 3
渡邊・掘越NTT西日本中国 5
vs. 金・濱田 5
長谷部・佐伯学連-松蔭 3
vs. 金・濱田 5
金・濱田タカギセイコー 5

 

シングルス決勝

河野加奈子(ナガセケンコー)4-2 辻美和(東芝姫路)

シングルスにでる選手はダブルスにはでられない。これがレベルをさげている大きな要因のひとつ。河野も辻もダブルスでも即優勝候補だ。もったない。シングルスをやめろとはいわない。両方でられる工夫をしてほしい。この決勝は女子としては比較的おもしろかった。やっぱり河野はすごい。

★I LOVE SOFT TENNISに入賞者の画像があります。