花田直弥
HANADA Naoya
(日本 京都市役所)

インターハイは二年、インカレは一回生でともに個人優勝、と早熟の天才速球王ベースライナー。国際大会には2003年の世界選手権から登場。以後2004、2006、2007と代表入り。2004以外は予選会優勝の自力出場であり、非凡さを示している。2006アジア競技大会では国別対抗団体戦に優勝に大きく貢献、個人戦ダブルスベスト4(四位)。天皇杯では二度の決勝進出がある。2006中山盃国際大会ダブルス、シングルス二冠。

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SEVICE RETURN / FOREHAND
サービスリターン/フォアハンド
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 ファーストサーブに対するリターン。

 ややセンター気味にきたボールをまわりこみオープンスタンスで処理。

 2〜7コマ スプリットステップ(静止画よりも動画が分かりやすいだろう)。スプリットステップ後のスタンスの広がりに注目!(スプリット--spilt--の意味を知れ!ただ飛ぶだけならそうはいわない)。

 いまさらスプリットステップの説明でもないだろう、という気がしないでもないが、意外に言葉にするのはむずかしいものだ。

 (スプリットステップ)予測不能な次動作のための予備ジャンプ(ステップ)なのだが、そのタイミングが難しい。いや簡単なのだが、言葉にするのが難しい。リターン時に限ってみるとサーブのインパクト時にジャンプが最高点に達しているという分析研究結果があるようだ。ひとつのヒントにはなるだろう。

 8〜12コマ サイドステップにより打球位置まで移動。約一歩である。移動中からすでに上体は捻られていき、つまりスプリットステップ終了と同時にテイクバックを開始し、移動終了つまり軸足の決定(14)と同時にテイクバックは完了している。

 12〜14とボールをひきつけ、フォワードスイングは15から。いったんラケットの位置をさげ、インパクトにむけてややアッパースイング気味にスイングされる。インパクトは21と22の間。この二コマ(時間差はわずか0.03秒ほど)でラケットの高さがラケット一面分ほど違う(→右画像参照)。下から上へはトップスピン(ドライブ)の基本であることはいうまでもないだろう。この一連のラケットの動きには下半身の大きな動き、とくに右膝のアクションが貢献している。そのへんは動画で確認できるだろう。

 ただ、ラケットはいかなる場合も下から上につかわれなければならない、という金言は、大嘘である。そうでない場合は無数にある。

 全体としては、(大きな)ステップイン(踏み込み)は無しで、肩をきっちりいれ(16)、軸をしっかり保ち、上体の捻りもどし(ボディーターン)でボールを飛ばしている。ただそれはそれほど強烈なものではなく(フルスイングではない)、むしろ慎重に、ボールをコントロールすることに主眼をおいたスイングになっている。フォロースルーでの右肘の高い位置(23、24)にもってくることにより、しっかりとトップスピンをあたえている。ヴィルトゥオーゾ16で紹介した攻撃的なフォアハンドと比較するといろいろなことが見えてくるはずだ。

 一方、打点はとても高く(バウンドの頂点をつかまえている)、つまり早いタイミングでの処理であり、スキのない打ち方になっているのはさすがである。

 オープンスタンスをキワもの的にみる人が今だにおおいが、そんなことをいっているようでは、ますます高速化、広域化(?)していくモダンソフトテニスについていくことはとてもできない。例えばこのページのリターンをステップインで打つには1メートル以上ポジションを下げねばならず、その愚かしさはいうまでもないだろう。

 ステップインがアナクロだ、といっているわけでない。それだけではないといっているのである。(ステップイン--踏みこんで打つことは)間違いなく重要であり、基本でもある。その重要性はいうまでない、疑いがないのである。そこは誤解なきように。

 サービスリターンであると同時にグラウンドストロークフォアハンドでもあるわけだが、通常のグラウンドストロークとは切りはなして考えるべきものだ。早い話がいくら乱打練習をやってもリターン力は向上しない。日本プロテニスの草分け的存在である石黒修氏(俳優石黒賢の実父でもある)は「リターンの重要性はいくらいってもいい足りない程だ。その割りには皆練習しない』と嘆いたそうだが(村上龍『快楽のテニス講座』より)、ソフトテニスでも同じではないか?。いやゲームが短い分、さらに重要であるとさえいえるとおもう。サービス力、リターン力はテニス選手にとって永遠の課題なのである。ジュニアの大会から世界選手権の決勝まで、結局、リターン力、サービス力が勝敗をわけるもっとも重要なポイントになっているのである(もちろん、それぞれの段階で求められるレベルが違うのはいうまでもない)。

 川村と組んでからの5年間で国際大会の予選に3度優勝、2度の2位、この成績は尋常ではない。2006、2007と二年連続優勝しており、2005、2006と天皇杯にやはり二連勝した中堀・高川とまさに天下を二分している、といえるだろう。一方、国際大会本番ではなかなか存在感をしめせなかったが、2006中山盃国際大会で王者台湾の王俊彦・葉佳霖、劉家倫・趙士城等を連破して優勝(シングルスでも優勝)、同年のアジア競技大会国別対抗準決勝韓国戦では劉永東(ペア金裁福)を破る大金星をあげ、日本の初優勝におおきく貢献した。2007世界選手権は国際大会としては4年ぶりのクレーであり、花田の豪球が最大限に活きる。真価を示すのはこれからともいえ、期待が高まる。

2006中山盃(台湾台中市)出場時の前日練習で。ダブルス、シングルスに優勝した。
2006ドーハアジア競技大会シングルスで
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