ラケットは想定打点の真後ろにセットされ(16)、そこから一直線に振り抜かれる。
フォロースルーにおいてもスイングはほとんどアップしておらず、スピンは意識されていない、フラットな、スピードボールになっている。
25以降ラケットフェースが巻き込むように処理されているが、これはスピンではなくヘッドスピードの加速に還元されている。
韓国的でない部分を2点あげたが、これはやはり彼女がジュニア時代日本で競技生活を送ったことと無縁ではないだろう。
土台はまぎれもない韓流の選手だが、成長過程で日本ボールを使用することで、独特の個性がうまれたのである。いわばハイブリットなのだ。
さらに一例をあげると、終始、上体がスクっとおきているのが素晴らしいが、これは韓国では異端とされていたと彼女自身が私に語ったことがある。
これも韓国ボールにくらべてよくはずむ日本ボールで育ったからこそである。 御承知のように2003年以降、高校生以上は韓国でも日本ボールを使用するようになり、低い弾道のボールに特化したやや前屈みなフォームからもっと上体を起こした形も推奨されるようになったようだ。
金智恩のフォアハンドについてはこちらも御覧ください(グリップ解説付き)