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金耿漢のストレート展開でのジャンプスマッシュ(シザーズスマッシュ).角度の非常につけにくいところからアングルにペースのあるハイクオリテイのボールをたたきこむという離れ業をみせた。ラインから20センチなかったと思う。
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しかし,韓国選手の素晴らしさは,高速サーブにとどまらなかった. そしてその素晴らしさを最も体現していたのは,現シングルス世界チャンピオンの金耿漢であるように思われた.
誤解を恐れずに言えば,国別対抗戦の日本対韓国戦の第1シングルスで小峯は,レベルの違いをまざまざと見せつけられてしまった. 金耿漢はネットについてもベースラインでもシングルスでは圧倒的な強さを見せたが,ネットについたときには凄まじいばかりのレベルの違いを見せていた.
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金耿漢。まさに技のデパートだ。これは個人戦から。
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| 韓国金耿漢戦での小峯。なすすべがなかった。 |
例えばスマッシュ. ストレートで,小峯があげたロビングに対して金耿漢のスマッシュは,サイドラインから内側に20cm程度のところに打球されていた.
コート中央よりに構えていた小峯は,スマッシュに対して一歩も動けずにいた(web
master註→右画像はまさにその瞬間である).
その次のスマッシュでは,小峯がスマッシュを警戒して後退すると,バドミントンのドロップ・ショットのようなスマッシュをネット際に落としてみせ,
小峯は全く動くことができなかった.
小峯にしてみれば気の毒でもあった. 日本国内にそれほどのシングルス名手がいるわけでもなく,彼にしてみれば日本国内では当たり前のことが,金耿漢相手では当たり前でなくなってしまうのだ.
金耿漢のテクニックは,それら以外にもたくさんあった.
足下をついたつもりのショットを放ってもドロップ・ボレーで決められ,足下をつくと事前に分かってしまうと, ネットに詰めてアングル・ボレーを決められてしまう.
そうかと思うと,相手がネット・ダッシュしてくると,ショート・バウンドでロビングを打ったりして,金耿漢の対戦相手は翻弄されるばかりであった.
そして,恐らく現時点で最高のシングルス・ゲームは,台湾対韓国戦の第1シングルスでの対戦でみられた.
金耿漢は劉家綸と対戦した. グラウンド・ストローク力では劉家綸が上手であるように思われたが,ネットに詰めた金耿漢はそれ以上に上手であったし,
ベースラインでもその強さを遺憾なく発揮していた.
クロスへのもの凄いアングル・ショットを金耿漢が放つ.
とても取れそうになかったにもかかわらず,劉は返球に成功し,そのままネットにつこうとするがやや体勢が整っていない.
するとそれを見て取った金耿漢は,劉のバック側にロビングをあげる.
それを背面バックボレーで返そうとする劉.
そんな息をつかさぬゲームが自分の目の前で行われているのだ.
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劉家綸。 金耿漢との宿命?の対決はこれで1勝2敗。
相変わらずの荒っぽさだ。伸び悩みという印象も拭いきれない。 もっとやってくれると信じたいのだ。 ちなみに彼が本気で打ったフラットサーブはバズーカ並みの威力だ。
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そんなシングルス・ゲームに見とれながら, 恐らく,韓国選手達は遊びの中にみいだしたものを,まじめに練習してきたのではないかと,そういう思いに強くとらわれるようになった.
彼らがまじめにスポーツ科学の講義を受けて,それから高速サーブのヒントをつかんだとは考え難かった. 恐らく,誰かが「やってみたらもの凄いサーブが打てた」に違いない,そしてそのことをまじめに追求してきたのではないだろうか.
また例えば,中堀・高川組と,李源學・劉永東組の第6ゲームの第1ポイント. ミドルに立った李源學の高速サーブを警戒した中堀は,ベースラインの外側1mあたりに構えていた.
ところが,李源學が放ったサーブは,超スロー・サーブであった. 前進を余儀なくされた中堀のレシーブを劉永東はそのままポーチ・ボレーしてしまった.
速いサーブとみせかけて緩いサーブを打つことは,ソフトテニスを長年プレーしてきた人物であれば誰でも一度は行ったことがあるはずだが,
それをこの大舞台で実行し,そして成功させてしまったのだ. そんな遊びみたいなことは,本当に遊びからしか生まれないのではないかと思われた.
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| 台湾戦に完勝後、朱監督を胴上げする韓国男子 |
そして,そうした彼らの熱意は,他の競技へと目を向けることになったのではないか.彼らが採用していると思われた技術は,テニスはもちろん,バドミントンで見られる技術でもあった.それらの技術を使えるだけの体力レベルの向上をはかりながら,ソフトテニスで最大の舞台であるアジア競技大会で使えるようになるまで,まじめに取り組んできたに違いない.僕たちが知っているスポーツや日常生活の事実の中にはもちろん,まだ見聞きしていないことの中にも,数多くのヒントが隠されているに違いない.そんなことをまじめに追求してきたであろう韓国選手やスタッフに,敬服するしかない大会であった.
金煕洙の高速サーブが決まると,「Thank you, Hee-Soo!」と,観客席からテニス・コートに声が掛かった.本当に全く脱帽だったよ,Hee-Soo.
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