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恐らく日本人にしてみれば,モンゴル選手などは見分けがつかないであろう.彼らはモンゴロイドという点で日本人と似ているというだけでなく,
ソフトテニスそのものが似ているのだ.
モンゴルでは, 長く日本人指導者が熱意をもって指導を行ってきたと聞く. 挨拶程度なら,選手にとってはお手のものだ.だからと言い切るつもりはないのだが,確かに彼らのソフトテニスのスタイルは日本のスタイルに非常に似ている.
ところが,このスタイルということに関して言うと,国際大会では「多様性」という言葉と,それに続く可能性を強く感じさせられる.
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| パグヨぐらいカッコいい女子選手はちょっと記憶にない。
2002年は東南アジア選手権で団体、ダブルス、シングルスの3冠を達成。第3回(1996)、第4回(2000)アジア選手権シングルスで連続銅メダルを獲得。アジア五輪には1998バンコク大会についでの出場になるが、バンコクでは水上選手に勝つという殊勲をあげている。アジア五輪3大会連続出場になる。 |
フィリッピンの名選手で,これまでに国際大会シングルスで多くのメダルを獲得しているPaguyo Josephine, 彼女はテニスとソフトテニスを並行して行ってきたと,以前話してくれた.
身長はどうみても150cmぐらいにしか見えないし,腕など非常に細くて,あたかもオリンピックに出場してくる体重40Kgにも満たないような,
体操選手であるかのようだ. いや,寧ろマニラのスラム街のどこにでも見られるやせ細った少女といった方が正しいだろうか. そんな彼女がメダリストであることを想像することは難しい.
しかし,彼女が魅せるテニス・スタイルのソフトテニスは,技術レベルが高く,その体力的なハンディキャップを見事にカバーしている.
例えば,サーブ.コンチネンタル・グリップから放たれるサーブは,常に美しい当たりをみせ,その体格からは予想もできないほどの威力を示す.
日本のインターハイ出場クラスの選手に,いや,実業団クラスの選手にでさえ,Paguyoクラスのサーブをみることは非常に困難だ. そしてストローク.フォア,バックハンド,どちらともドライブ,スライスを織り交ぜてくる.
そして,そのストローク技術もレベルが高い. 弟であるRichmondと組んだミックス・ダブルスで,韓国の金煕洙・朴英姫組と対戦したときには,
ベースライン50cm以内という本当に深いロビングを,三球連続して放つという美技を見せた.
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| 左が(リッチモンド)パグヨ。右がデ-レオン。デ-レオンは1996年アジア選手権シングルス3位。ともに広島(1994)、バンコク(1998)につづく3大会連続出場。 |
だが,Paguyoが優れているのは,個々のストローク技術のレベルが高いことではなく,その「優れた技術の使い方」そのものに優れていると感じられた.
日本国内で行われるシングルスを見ていると,例えば,スライスを打球して相手をネットに引き出したにもかかわらず, 次のショットをネット中段に打ち込んでしまう選手をよく見かける.
またあるいは,これが自分のできることの全てだと言わんばかりに,スライスを何度も何度も単調に繰り返している選手をよく見かける. これらは,スライス・ショットそのものの技術には優れているが,スライス・ショットが有効打にならない典型的な場面であろう.
スライス・ショットを使うことによって,次にどのようなシーンがゲームに現れるのか, そのことを理解しない限りスライス・ショット単独で有効打になりうることは稀である.
スライス・ショットそのものが単独で有効打になるためには,ハード・コートで行うか,あるいは, ‘99年に台湾で行われた世界大会のように,室内コートであることなどが必要だ.それも,台湾での世界大会で台湾代表であったWang
Shi-Tingクラスの,相当に優れたスライス技術があっての話だ. スライス・ショットを有効打たらしめるためには, スライスとともに使われるドライブとのコンビネーションを先行して考えなければならない.
スライスとドライブとの間にあるギャップ,そして, ゲーム状況と照らし合わせながらテニス・コートという三次元空間にそのギャップを如何に織り込んでいくのか,そのことが重要なのだ.
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| チームメイトからはラナとかパレルモとよばれていたBantay
Petronaの美しいサーブ。韓国にも日本にもこれほど美しいサーブを打つ女子選手はいない。バンコク大会につづく2度目の出場。 |
Paguyoは早くからソフトテニスにスライスでのストロークを取り入れてきた. もともと彼女はテニスを行ってきたのであるからそのこと自体は不思議ではないのだが,彼女には,単にテニスを行ってきたという以上のものを感じる.
同じフィリッピンのBantay Petronaは,Paguyoと同様にテニスもソフトテニスも行う. Bantayは打球力もありいい選手だが,見ている限りでは日本のスタイルに限りなく近い.
ほぼ全てのボールをドライブで打球し,結果的にパワー・テニスを目指しているかのような印象を与える. そんな二人のことを考えていると,PaguyoとBantayを分けるひとつの要因は,ボールの特質を活かすことができるかどうか,
という点にあるように思えてならなかった. ゲーム状況に照らし合わせながら,打球したボールの「質」を自分でコントロールできることは重要であるが,
ボールの「柔らかさ」という特性を考えると,その特性を活かすことが二人を分けているように思われてならなかった.
既に述べたように,状況への対処方法が多ければ,それだけ状況を打開できる可能性が高くなるが, ソフトテニス特有のボールの柔らかさという点を考えると,ドライブとともにスライスを打球することによって「チェンジ・オブ・ペース」が可能になると,
Paguyoのゲームを見ていて考えさせられた. これまで,ソフトテニスにおいてはロビングによる「チェンジ・オブ・ペース」が強調されてきた.ロビングも重要だが,
これからはドライブとスライスの使い分けによる「チェンジ・オブ・ペース」も考えられてもいいだろう. 恐らく日本のソフトテニス・プレーヤーでテニスを行っているプレーヤーは非常に少ないにちがいない.
そうした結果,ソフトテニスのボールがどれだけ柔らかいのか,そのことに心が至っていないように思われてならなかった. --->
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