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黄晶煥と李源學(右)
 もともと韓国のネット・プレーヤー達は,その基礎技術は高かったにもかかわらず,佐賀や大阪では切れ味を欠いた感が強く,僕はややがっかりしていた.
 彼らの基礎練習を見れば,その技術力の高さが分かる.試合前に早めに会場に行ってみると,韓国勢の練習風景を目にすることができた.
  最も感心したのは,いわゆる「基本ボレー」といわれる練習であった.ほぼ正面から,ややフォア気味,バック気味のボレーをそれぞれ交互に行う.それを何度も繰り返し行うのだが,そこに凄まじいばかりの基礎レベルの高さを垣間見ることができた.

黄晶煥。三石・渡邊戦より。
 金煕洙はダブルスでペアを組んでいた黄晶煥と練習を行っていた.黄晶煥は,サービス・ラインやや後方から次々と球を金煕洙めがけて送っていた.1分間に30球近くは送っていたのではないだろうか.それも使っていたボールはたったの1球だ.金煕洙がボレーしたボールは,黄晶煥のやや手前にバウンドし,それをラケットで受け止めた黄晶煥がすぐに送球を行うのだ.金煕洙がボレーしたボールは,なんと直径30cm程度の円の範囲内に確実にボレーされていて,黄晶煥がそれをラケットで受け止めることが容易にできていたのだ.

 
02東アジア五輪シングルスでの中堀のサーブ。
この練習は高度な「効率性」をもたらしていたが,それは「質」といってもいいだろう.短時間に同じ練習を何回も何回も繰り返すことができていたのだ.同じ練習時間では,明らかに打球回数が日本とは異なっていた.

 見過ごしてはならないのは,切れ味鋭いネット・プレーを支える,高いグラウンド・ストローク力を金煕洙が持っているということであった.
 彼のレシーブでの攻めは抜群であった.セカンド・レシーブでのエースは,ライン際によくコントロールされたボールが,コンパクトなスウィングから放たれていた.フラットなフォアハンドは,安定感抜群であった.

 佐賀や大阪の大会では日本勢のサーブの威力が目立っていた.サーブに対する意識変化が日本チーム内で起こっていた結果だと聞いていた.「確率」ではなく,「攻撃力」あるサーブを志向したのだ.その結果確率はやや低下したもののポイントの増加がみられ,更に台湾,韓国勢に与える心理的影響が大きかったのだ.彼らは日本のサーブを嫌がっていたと聞いた.こうした改革的な選択が日本男子チームの勝利をもたらしたと考えてもいいだろう.そして,そのことを踏まえて,さらなる強化のためにこの大会に備えて,レシーブ強化を日本男子チームが行うと聞いていて期待していたのだが,レシーブに関しては韓国勢の強化はみられたものの,日本チームでは全く感じられなかった.

 そしてその韓国勢の中でも,金煕洙のフォアハンドは際だっていた.金煕洙のグラウンド・ストローク力が優れていることは,中堀との個人戦シングルス準決勝に勝ったということからだけでも,ある程度証明できるだろう.


金耿漢のリバースサーブ。
 本来の実力を発揮していた金煕洙は,個人戦ダブルス,個人戦シングルスの2種目で決勝進出を果たした.個人戦ダブルスには,劉永東が,個人戦シングルスには金耿漢が進出していた.

 金耿漢は現シングルス世界チャンピオンでもあり,ダブルスにおける劉永東の活躍などからして, 金煕洙がいずれの試合においても勝つことは容易ではなかったが,韓国国内の大会では金煕洙が強いこともあって,結果を推測することは困難であった.

 ところで,個人戦各決勝は大会最終日に行われた.各個人戦は決勝進出者が決定したところで一旦終わり,最終日はミックス・ダブルスの予選から決勝までと,男女シングルス,ダブルスの決勝が行われた.ミックス・ダブルスにもエントリーしていた金煕洙は,この日ミックス・ダブルスを戦いながら,シングルスとダブルスの決勝を戦うという,超過密なスケジュールをこなすことになっていた---->
 


THE GREAT CHAMPION'S in BUSAN

頼詠僚
張漢渉/李錫雨/金成洙
方峻煥
頼詠僚(台湾) 1985 World Champion

張漢渉(韓国) 1991(doubles)/1995(singles) World Champion

李錫雨(韓国) 1991 World Champion