
葉育銘のスマッシュ
世界選手権観戦報告その4-a
台湾の大将前衛葉育銘選手に聞いたスマッシュ打法。
グリップはコンチネンタルで、(肩の)内旋と(前腕の)プロネーションの動きを強調していた(このやり方がヘッドスピードがもっともあがるのはご存じの通りだが)。また一緒に話しを聞いた劉永東選手-韓国(葉選手に言わせるとスマッシュチャンピオン。スマッシュのことなら彼に聞けといわれた)も同意見で、そのほかに二人ともトップスピン(を利かす)といっていたのは興味深い。日本で一般的にいわれる打ちおろす打法とはまるで反対である。その意見が二大強国のトップ前衛の間で一致したのはおもしろい(あたりまえのことをいっているだけなのだが、意外に思う人もいると思う)。
もちろんイースタンやウエスタンといった(コンチネンタルより) 厚いグリップでのスマッシュにおいては打ち下ろす打法というのは正しいのだが・・・
誤解してほしくないのは薄くもって(コンチネンタルでグリップして)常に引っかけるように打っているのではないということだ。その点くれぐれも誤解なきよう。イースタンよりさらに薄く持つことで威力と正確さを両立させているのである。
日本ではスマッシュに関してはかなりラフな理論しか出回っておらず、グリップに関しても好きなものでよい、というのがおおいが、あえていわせてもらえば、トップを、最高技術をめざすのなら、いますぐコンチネンタルに握りかえなさい。これはなにもスマッシュだけではない。オーヴァヘッドで打つサービスもだ(村上龍が同じこといってましたな)。ワングリップ主義なんてすててしまおう!!オーヴァヘッドストロークはコンチネンタル周辺の薄いグリップが基本と心得るべし。
スマッシュでは少し厚めのコンチネンタル、昔風にいうとオーストラリアングリップが最適。これはできるだけ打点を前にとることで視野を広げる必要があるからだ。ここがサービスとのおおきな違い。ただ実際のゲームでは超後ろ打点でスマッシュを打たなければならないシーンが頻発するわけで、極薄のコンチネンタルも準備しておかなければならない。劉永東も葉育銘も基本的にはややフォアハンドイースタンよりのコンチネンタルグリップ(これをオーストラリアンという)でスマッシュする。
もちろん打ち方がウエスタンの時と同じではいけない。よく腕とラケットが(インパクトで)一直線になるようにという指導や解説がサービスであるがそれは間違いである(これはウエスタンの打ち方。ウエスタンではそうしないと面がスクエアにでない)。それでは手首が伸びてしまう。(コンチネンタルでは)インパクトにおいては腕とラケットは逆くの字にとなるのが正しい。
イースタンだともっとダイレクトにパワーを伝えられるが、そのぶん難しくもある。威力は最大になるが制御が難しい(イースタンはもっともフラットなグリップである---手のひらの角度とラケットフェィスの角度が同じ---)。
イースタンの難しさはグラウンドストロークを考えるとわかる。ダイレクトにパワーが伝わるがドライブ(コントロール)しがたいのである。これはバックハンドイースタンでも同じ(念のために付け加えるとオーヴァヘッドストロークのところでいっているイースタングリップとはフォアハンドイースタンのことだ。バックハンドイースタンでのオーヴァヘッドはさらに高等技術である)。
コンチネンタルでは威力を保ちながら制御が容易になるのだ。一瞬の変化に対応できるのもコンチネンタルだ。そのコンチネンタルでのオーヴァヘッドストロークに必要なのが内旋とプロネーションの動きである。よくリストを利かすというがこれは正確ではなくて内旋とプロネーションによって手首が利かされるのである。
むろん打点が常に前にとれるのならイースタンで問題ない。それどころかパワーの点では理想的だ。ただ先にも書いたとおりゲームはフレキシブルに変化し、様々な局面が訪れることをわすれてはならない。
つまりあらゆる意シーンを予測し、準備しておかねば勝利はない。
グリップの呼称がよくわからない人もいると思う。この説明は簡単にはできないのでこちらのページを参考に。
一応の目安をいっておくと、ラケットのフレームを刃にみたてて包丁を握るようにグリップするのがコンチネンタルグリップである(またはイングリッシュグリップともいう)。それを90度にぎりかえるとウエスタングリップになる。その間が、つまりコンチネンタルを左右45度にぎりかえると、バック、フォアそれぞれのイースタングリップになる(イースタンにはかなり幅がある。説明しだすときりがないし多分意味もない)。だいたいこれが基本。
グリップについてはUSPTAによる人さし指のナックルの位置での判定方法がわかりやすくて正確(誤差がでにくい)だ。後日紹介したい。
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