世界選手権国内予選観戦記

男子 

花田。何気ないボールがホント速い、そして力がある。ゲームにテンポがでてくればさらに凄そうだ。
渡邊。うまいというしかないが、花田・川村にはほぼ完敗。
小峯。彼の故障が大きな影響を与えた。復活の日を待ちたい。

 ここ10年間に開かれた国際大会の予選会は北本斉藤中堀高川平山土師の6人なかから勝者がでた。今回のような単独の予選だけではなくて、全日本選手権を兼ねた形態のときもふくめてである。
 今年の予選にはその6人だれひとりとして出場しなかった。次代を占うといっていい非常に興味深い大会となったわけだ。

 ポストビッグ3の一番手はいうまでもなく浅川・小峯だが、小峯の足の故障で苦戦は必至であり、さらに混戦に拍車をかけるかたち。その小峯だが見た目にはそう悪くもなさそうな切れのあるプレーだが、試合の合間などはほんときつそうで、通常の大会なら棄権していただろう。全日本チャンピオンとしての責任とプライドをかけた自力出場へのトライには敬意をはらいたい。

 一次リーグは各リーグからひと組だけを二次にという厳しさだが(このやり方は絶対に見直す必要があると思う)、レベルはもうひとつあがらない。というかはっきりレベルが低い。これは別に僕だけのの意見ではない。みているひとが異口同音にいっていたことだ。二次にはいるとさすがに見違えるようになったような気がしたが、二次リーグから高知にはいった釜山観戦者は「当たりが薄くて迫力にかける」と僕が一次リーグに対して感じたことと同様のことをいった。
 

 二次では三重高校の鬼頭・大賀が東・渡邊と大熱戦、あと一歩だった。
 室谷・小林の新ペアは、室谷がほとんど凶暴といっていい逆クロス、そしておそるべきフットワークをみせ、惹き付けられた。あの柔らかなソフトテニスボールがどうしてあそこまで暴力的になりうるのか!!とまで思えたが、川村には通用せず。室谷にはこの川村に限らずつかまる前衛にはどうしようもなくつかまることがある。正直、室谷についてはよくわからない、というのが本音だ。それに新一年生の小林がまだついてこれない。このペアは三次にあげてみたかったが。

 東・渡邊は国際大会の予選会で3大会連続最終リーグ進出。狙ってます、といいたげな雰囲気もあらわだったが、全体の力は過去2回にくらべて、落ち気味。東は白子でのアジア予選(2000)のどう猛なまでの強さが忘れ難いし、渡邊も一年前の熊本のほうがずうっとよかった。
 

 黒木・平原は練習量を感じさせるキレのよさで、それは最終リーグでもかわらないが、ここはレベルがちがった。ただこのふたりのサービス力はすごい。黒木がときどきみせるネットダッシュもおもしろい。が最終リーグは正面からぶつかり玉砕。なにかケレンが欲しかった感じ。

 浅川・小峯は初戦で花田・川村にファイナル勝ち。キレは抜群で小峯の故障がなければ優勝したとおもう。浅川はマッチョなテニスを志向しており、迫力は、ある。とくにバックからの攻めは日本では類例がない。ただ力みが目立ち、ボールがおもったほど飛ばない。スピードもない。まだまだ発展途上ということか?ただ今のスタイルが彼のベストフォームなのかどうかはよくわからないところがある。以前彼に対してもっていたイメージと随分違うような気がするのだ。脱皮なのか?気のせいか?現在目指しているストロングテニスがおそろしく魅力的なことは間違いないが・・・

浅川。強い志しの高いテニスを展開。
川村。昨年のインカレチャンピオン。小峯、渡邊を猛迫。

 小峯は若々しい。川村や渡邊のほうが老成している、老けたテニスをする、いい意味でも、悪い意味でも。すくなくとも僕には小峯の若々しさが魅力的に映る。ただ優勝がかかった東・渡邊戦は小峯の足が限界。後半はほとんど動けなかった。ここはしょうがない。充分すぎるほど、浅川・小峯は存在感をしめしたのではないか。

 花田・川村は花田が凄いボールで圧倒。むちゃくちゃに甘いボールも多数あり、大丈夫かな、とも思うが、いいボールはこれまたむちゃくちゃにすごい。しかも彼はロブが使える。しかも意味のあるロブが。打つだけではないのだ。後衛の前に平気であげられる。強いはずだ。
 一方、川村はしぶい。とくに横の動きはすばらしくベテラン前衛のよう。ただスマッシュとサービスには課題あり。
 いやスマッシュは男子全体的に見劣りした(どこと比べてかはいうまでもないだろう。サービスはいい選手がおおいが・・・)。スマッシュを追う体勢はいれば見ているこちらが不安になるほどで、まあ単に練習不足だとはおもうが・・・

 実質、(国際大会の場から)引退してしまった北本・齋藤はともかく、中堀・高川と平山・土師の不在による喪失感はあまりおおきい、というのが実感だ。今回の両巨頭の欠場にはそれぞれ理由があったわけで、実際に彼らを失ったわけではないので、救いはあるが・・・いやないのか?

女子

 女子は玉泉と大西のまさに一騎討ち
オープンスタンスで打つ玉泉。やっととれた一枚。右足を踏み込むといっても前にというわけではない。念のため。
大西の特異なテイクバック。これがフラットなボールを生むのか?シュートもそうだが、ロブがおそろしく速い。とんでもなく速い。

 女子選抜であっさり敗退した玉泉・上嶋は、連戦連勝といっていい勢いに、陰りがでたか?と注目したのだが、 全然、関係なかったようで、そのポジティブさは魅力的だ。
 このペアにかぎらず東芝の選手というのは荒っぽい、というかどこか未熟さを残しているのだが、それがマイナスではなくて、プラスに輝くところが素晴らしい。 玉泉がときどき見せるオープンスタンスなどその好例かも。たまたまアウトサイドにきたボールにたいして、これまた、 たまたま、右足をふみこんでみました、という感じで、なんというか楽しい。そして美しい。
 釜山アジア五輪の国別対抗韓国戦でもこれがでた。 朴英姫にクロス鋭角にうちこまれたボールにたいして、オープンにはいり上体のターンだけでクロスにさらにするどく切り返したそのシーンの美しかったことときたら・・・ この場面はガオラの放映でもたまたま流されたのでビデオに録画されたかたは見直されるといい。

 話しはそれるがあのガオラの放映は残念だ。ああいう切り口が視聴者ののぞんでいるものなのだろうか。というよりアジア大会をすこしもつたえていない。選手の家族にプレゼントするには最高かもしれないが。テニスをすこしも感じていない、感じることができないのがショックだった。


 大西の凄さは今回際立っていて、優勝した玉泉・上嶋をしのぐインパクトを会場に与えた。 最終リーグでの玉泉・上嶋戦ではG4-2と大きくリードし、ほぼ代表を手中にしていたのだが。ここを勝ち切れないのはやはり、ペアとしての成熟がないからか? ほんと惜しかった。

 大西のテニスに関してはこのページで再三プッシュしてきた。 会場のあちこちで、彼女に対する賛美が聞かれたが、何をいまさら、とはおもったものの、今回の活躍は素直にとてもうれしかった。 何をいまさら、というのは、彼女は実はアレぐらいのテニスはいつもしているからだ。 すくなくとも今回の活躍は充分に予測できるのものだったのだ。 こんな凄い選手がナショナルチームではないなんて!!。彼女は昨年の東日本チャンピオンで実績もある。

 昨年の玉泉もそうだった。 彼女もナショナルチームではなかったのだ。予選で優勝してあわててナショナルチームにいれたのだ。 今年大西が優勝すれば2年連続でナショナルチーム外からの優勝となるところだった。 いったい、ナショナルチームって???

 男女とわず、ナショナルチームの選抜には主観的要素が強くなっている。それが歪みを生んでいるし、尊敬をうしなっているのが気掛かりだ。

アジア五輪では、Shi-Ting WANGに絶賛された辻。それぞれの釜山〜去りゆく女王〜参照

 辻・松村もおおいに楽しみな新ペア。辻は女子選抜で裏カットやヒ−ス−スライス?などの荒技??を次々くり出して、楽しませてくれた。女子でこういうタイプの人、いや男子でも、少ない。どんどんやってほしい。その点、さすが今回はぐっとシンプルなテニスだったが、やはり新ペアでは最初から結果を望むのはむずかしいか?
 

 逢野・濱中は玉泉・上嶋に唯ひと組だけ土をつけたが、これは玉泉組の優勝が決まったあとの消化試合であり、意味がない。韓国予選ならこういう試合は省略される。
 逢野は打球力はすばらしいが、下半身が不安定でそれが課題。サービスに工夫がみられ、まだ未完成だが今後が楽しみ。濱中はやはりうまい。

 

 二次リーグで金・濱田が落ちたのはショック。女子選抜の観戦記で書いた負けないテニスでは、こういう場では限界があるのか。

 水上・熊谷の一次リーグ敗退はそれ以上のショック。水上は完全な国際大会モードになってしまっていて国内ではモチベーションが高まらないか?岡本・斉藤に負けたゲームはいいところが少しもなかった。まだ国歳大会では水上しか通用しないのだ。彼女をうしなうわけにはいかない。釜山アジア五輪など、彼女のがんばりがなければ台湾にも中国にも確実に負けていた。

優勝どころの話しではない。メダル無しの可能性もあったのだ。韓国戦のみがクローズアップされがちだが・・・

ダブルスで(男子も含めて)韓国から勝ち星をあげたのも彼女だけなのである。水上の浮沈は日本の生命線だ。