4月25日 軟庭マンさんより
ソフトテニスの新ルールへの移行、そして私の周りの環境の変化に伴い、私は硬式テニスの技術に触れるようになりました。新ルールへの移行により、前衛だった私は実戦でサービスを打たなければいけなくなり、職場関係のつき合いで硬式テニスをする機会が増えました。この二つはちょうどいい時期に重なりました。
サービスは昔後衛をしていたこともあり、入れ替え戦(前衛と後衛が入れ替わってゲームする。もう死語になったのでしょうか?)などでそこそこのサービスが(自分で言うのもなんですがまずまず)打てていたのでそのままでも良かったのですが、実戦で打つのならもっといいサービスを思い、軟庭関係の雑誌や指導書などを調べてみましたが、納得のいくものがありませんでした。
硬式(情報量がまるで違う)ならどうだろうと思い、雑誌や指導書を読み、硬式テニスで実際に打って研究しました。そこで思ったことは硬式テニスはさすがグローバルなスポーツで研究はソフトテニスなどは全く及ばないほど進んでいるということと、硬式テニスの技術はソフトテニスにも充分に応用できるということです。特にサービス(スピン系はあまり使えない)、スマッシュ、バックハンドストローク(トップスピンというかフラットドライブ、もちろん片手、両手打ちは研究中)などは硬式テニスのそのままの打ち方の方が、よりいいボールがコントロール良く飛んでいき、理論的も確立されています。他にも、待球姿勢、グリップ、フォアハンドストローク、難球処理の方法、テイクバックの仕方、スタンス(サービス、ストロークでの)、サービスリターンの方法、フットワーク、ローボレー・ハーフボレーでの膝の使い方や体のさばき方、左手(非利き手)の使い方、練習方法、トレーニング方法、メンタル面、コーチングの方法、ジュニアの指導方法等々これらの非常にきめの細かい研究は、どれでもソフトテニスに応用することができるし、もしかすると硬式テニスの技術の方が合っている場合があるかもしれません。
ただ気を付けなければいけないのは、ボールの性質が違うということです。硬式のボールは重いし、よく飛びます。ですからあらゆるショットにおいてしっかりと力の入る状態で正確に面を作っておかないとコントロールができませんし(昔ほどではありませんが)、まともに当てただけでは飛びすぎてコントロールが難しいのでスピンやスライスをかけパワーを回転に換えます(天才はフラット系でもコントロールできる)。これはソフトテニスにおいても同じ事が言えると思います。
違う点は、硬式のボールは回転をいくらかけてもコントロールが効くということです。ワイパースイングなどから打たれるウニウニのトップスピン、回転量の多いキックサービス(上にも書きました)などはソフトテニスではコントロールが効かず、ボールは吹いてしまうでしょう。
新ルールにより、ソフトテニスはよりオールラウンドな技術を身につけなくてならなくなり、展開もより積極的、よりスピーディになっていると思います。前衛(ネットプレーヤー)はストロークなど弱くてもいいとか、サービスは入ればいい、後衛(ベースラインプレーヤー)は大きく構えて踏み込んで打て、バックハンドはつないでおけばいい、ボレーは一本しのげればいいなどという考えではもう時代遅れではないでしょうか。ネットプレーヤーも攻撃的なストロークが打て、いいサービスやアプローチからのネットダッシュ、ベースラインプレーヤーもフォア、バックどちらからでも攻撃的で鋭角なショットが打て、前に引きずり出されたとしてもローボレーならきっちりつなぎ、甘いボールならポイントに結びつけることができる。このような技術を身につけたうえでソフトテニス特有の雁行陣からスピードのあるポーチや見透かしたようなサイドパス、クロスへの絞り、ベースラインまで追ったスマッシュ、うそみたいなフォロー、トップ打ちのノータッチやアタック、信じられないようなアタックストップ、それらが組み合わされた有機的で息の詰まるような緊張感のある駆け引き(昔はあった)が出てくればもっともっと魅力のある素晴らしいスポーツになるのではないかと思います。
ソフトテニスは技術革新の時期ではないでしょうか。
硬式テニスはラケット素材の進化により、技術も日々進化し(トップ選手はすぐに新しい技術を取り入れている)、打法が段々とソフトテニスに近づいてきているような気がします。もっと硬式の技術、理論を利用しましょう。折角あんなに研究してくれているのにもったいない。そして当然硬式テニスとは違う、また今までのソフトテニスとは違う、今までのソフトテニスの魅力を生かした、進化したソフトテニスを作り出しましょう。そうしないと日本のソフトテニスは絶滅してしまうのではないかと思う今日この頃です。
ぐだぐだと長くなってしまいました。申し訳ありません。最後まで読んでくれた方どうもおつき合いありがとうございました。