山梨日日新聞より被災地から避難 インターハイ切符獲得
石和高ソフトテニス部”転入”の山田さん
福島の仲間との約束果たす
父美明さん(右上)と母直子さんが見守る中、全国大会出場を決めた石和高の山田亜蓮さん=笛吹・石和中央テニスコート
福島第1原発事故の影響で福島県内の高校から石和高へ転入した山田亜蓮さん(3年)が、ソフトテニスの全国高校総体(インターハイ)出場権を獲得した。
山田さんは石和・笛吹高の合同チームのメンバーとして出場。本沢晃規さんと組み、12日、笛吹市石和中央テニスコートで行われた山梨県予選を3位で突破。「インターハイに出場する」という福島の仲間との約束を果たした。
山田さんは4月に福島・平工高から石和高に転入。福島に残った父・美明さんも「この大会だけは応援に来たかった」と、南アルプス市で山田さんと避難生活を送る母・直子さんとともに応援に駆け付けた。
前衛で奮闘する山田さんが再三ボレーを決めると、両親も拍手を送った。7月に青森県で開かれるインターハイ出場権を獲得した山田さんは「めっちゃうれしい」とほほえみ、見守る両親も笑顔だった。12日は美明さんの49歳の誕生日で「よいプレゼントになったかな」と親思いの一面をのぞかせた。
平工高は福島県予選で敗れ、全国大会でチームメートと再会する夢はかなわなかったが、顔見知りの選手がインターハイの出場権を獲得しているという。「福島の仲間とも出たかったけど、山梨代表として石和・笛吹のみんなと入賞を目指したい」と、全国舞台での活躍を誓った。