その1(1999.12.14筆)
行ってきました、世界大会。(最終日だけだけど) 現地新聞からの情報等等、ソフトテニスファンの皆様方のお役に立てればと思い書いてみました。しかしながら、筆者は新ルール以降後の世界的なソフトテニス事情に余りにも疎いため、かなり的外れな箇所もあるかも知れません。ご容赦下さい。
1. 団体戦 最終日しか行っておりませんので、団体戦及び個人戦予選は、私自身は見ていませ ん。 現地新聞、下記HPの情報をもとに書きます。
http://village.infoweb.ne.jp/‾fwgj4139/softtennis.htm
a.
男子
台湾(ソフトテニスマガジン等には中華台北と出るでしょうが、私は台湾と書きま す)圧勝。
---中略----劉の試合後のコメント「こんなにあっさり勝てるとは思わなかったよ。」
---中略----(因みに現地新聞には室谷・斎藤ペアは余り強くないペアと評されていた、こんなんでいいのか、天下の斎藤だぞ)
---中略----
b.
女子
女子は上記HPによるとソフトテニスの根幹を揺るがすようなショッキングな出来事が起こったらしい。私は実際に見てないし、新聞記事にも今のところ詳しく書いてないのでよく分からない。(15日の現地新聞でその謎は解明した。詳しくは後述。)
2.
個人戦
全部、準決勝から見る事が出来た。
i.
男子ダブルス
会場に着いたらいきなり、準決勝 中堀・高川VS 98アジア大会覇者 郭・方(台湾)の試合が始まった。一進一退の攻防でタイ・ブレークの末、中堀組が勝利を収める。インドアのためか、派手な打ち合いはないが、高川はやっぱりすごい。すごいところまで追ってのスマッシュや神がかり的なフォロー。彼の存在感はこの中でも頭抜けている。
隣のコートでやってた同じく準決勝 韓国ペアVS 台湾ペアの試合はすごかった。平行陣を採用する時間が長く、もう誰が後衛で誰が前衛なのかよく分からない。4人がコート内を走り回り、アグレッシブにポイントしにいく。ロブで展開とかそんなのあんまりなくて、ビシビシと攻めていく。硬式のダブルスに近い感じで非常にスリリングだ。
決勝。中堀組VS 謝・陳(台湾)台湾ペアは団体戦メンバーに入っていない、いわば補欠ペア。因みに理由はよく分からんが台湾のエースペアは個人戦ダブルスには参加していない。すごい選手層の厚さだ。 この試合は高川の出来が全てであろう。いいプレーもたくさんあったが、勝負どころでポイントできなかったし、ミスも出てしまった。中堀についてはインドアということもあり、ロブ中心になるのはしょうがいないかなとも思うが、もう少し冒険して攻めていってもよかったかなと思う。相手後衛は中堀よりやや攻撃的だった。それが勝敗に表われたか。結果は5−3で台湾ペアの勝利。台湾の方がポジションに対して考え方が自由な分だけ、何をしてくるのか分からない面白さがあるし、技術(後衛のネットプレー、前衛のストローク)もある。前衛・後衛とういう専門分野では日本の技術の方が上だろうし、美しい(フォームとか。台湾なんか結構我流が多い。)が、新ルールのもとでは、それだけに頼って試合をするのはもう難しい気がする。前衛・後衛という垣根はとっぱらって、選手1人1人がポイントするために臨機応変に、アグレッシブに対処するといったようなテニスが新ルールのもとでは求められているようである。この点で台湾は日本を一歩リードしているようである。
この段階では台湾はまだ全種目優勝を続けている。
ii.
女子ダブルス
日本 上沢・裏地が台湾ペアを破り優勝。スコアは5−3。日本のペアも台湾のペアも初めて見たので調子とかはよく分からないが、女子はまだまだ雁行陣主体の展開という印象。(途中で弁当買いに行ったり、トイレに行ったりしてたので、あんまり見てないというのも事実)この段階で台湾の全種目制覇を阻止。ほんとに全種目制覇しそうな勢いだった。
iii.
男子シングルス
ここでは今大会一番の掘り出し物、台湾の超新星 劉(まだ高校生、18歳)が登場。団体戦で大活躍した彼がここでも、実力を発揮。順当に決勝まで進んできた。
彼はまさに新ルールの申し子だ。ストロークよし、ネットプレーよし(サーブはカットサーブだったので良く分からんが、すごいスマッシュ打ってたから、恐らくサーブもすごいだろう)、の万能選手。その上ストローク中のカットもうまい。彼の試合を見ているともうソフトテニスという感じがしない。硬式テニスとバトミントンと卓球をミックスしたような感じだ。イメージ沸きにくいかもしれないが、硬式テニスのように豪快なネットプレーがあったり、バトミントンのようにネット際に落としたり、フェイントを入れて大きなロブあげたりと小技もある。そしてストロークは卓球のようにテンポが早く軽快だ。フットワークが抜群に良く、コートを駆け巡り、自在に球を扱う。将来が本当に楽しみだ。
その彼が決勝では韓国シングルスNO.1 金と対戦。団体戦決勝でも顔を会わせた二人、金にとってはリベンジマッチである。これまた大熱戦。タイ・ブレークまでもつれこみ、ポイント8−6で金がリベンジ成功。劉は小技に走りすぎたか。でも、劉はほんとにうまい。中堀とシングルスやらせてみたい。
日本の平山は準決で韓国 金に敗れる。
iv.
女子シングルス
ここは台湾の独壇場。1,2位を独占。(たしか3位にも1人入ってたと思うんだけど)優勝した王はバックは硬式そのまま。ダブルハンドで強打、シングルハンドでスライス。恐らく硬式出身だろう。だがこれほど硬式スタイルで見事に軟庭する人は初めて見た。フォアハンドも強烈で正確。準優勝の彭はカットの使い手。ストロークに占めるカットの割合は約50%といったところか。準決勝でこの彭とあたった日本の河野はドライブ回転の強打でガンガン打って行ったが、彭の柔らかいロブとカットでの前後の揺さぶりに屈した。真面目に打ってんだけど、軽くあしらわれちゃって見ていて可哀想になってきた。シングルスは小技とカットを駆使して前後に揺さぶりを掛けないとなかなか勝機が見出せない。日本はまだまだまじめ過ぎる感じ。台湾の選手なんて試合前から壁に向かって1人でカットの練習してるし、試合でカットが決まると客も喜ぶ。(彭のカットですごいのになるともう前にはバウンドしない。反対に後ろにバウンドする。これはもうだめだ。どうしようもない。返せっこない。)日本だったら結構しらける場面なのではないだろうか。カットなんかせこいよ、という感じで。この辺の固定観念から変えてかないとなかなかシングルス強くならないな。
3.
感想
いやー、何とか最終日を見れて良かった。何の告知もなかったから、この大会が台湾で開かれているのを知ったのが最終日の1日前の午後。会場もわかんなかったから新聞社とかに電話してやっとのことで情報を入手しました。(でもその情報間違ってたから結局タクシーに乗ることになって、往復日本円で5000円強払いました。バスだったら500円もあれば済んだのに。)
台湾圧勝。6種目中4種目を制覇。その他の2種目でもいずれも準優勝。何処が強いんだといわれても、なんとも説明のしようがない。真面目な日本人より大雑把な台湾人の方が展開に自由のある新ルールは向いてるのかなという感じ。技術でもパワーでも日本は決して負けてないし、勝っている部分も多い。
新ルールは運動量・俊敏性・テクニックが要求されるので、これからは台湾の劉みたいに高校生でも国際大会で活躍できる時代が来るだろう。限られたエリアで技量を競う時代はもう終わった。もうテクだけのおじさんたちが牛耳る時代は終わったのだ。
4.
久しぶりにみたソフトテニスで気付いた事。
これってソフトテニスの文化だからしょうがないのかもしれないけど、もうそろそろ止めた方がいいじゃないかなという事が数点。
A. 相手がミスした時「よしゃー、ラッキー」っていうやつやっぱりソフトテニスってミス待ちのスポーツという要素が強かったから、相手のミスに過剰反応するんですかね。もっと自分の攻撃に重点を置いてやってほしいです。自分の中で言うだけならいいんですけど、国際大会でも相手に向かって「ラッキー」とか言わないでほしい。もちろん選手は悪気もないし、長年こういうスタイルでやってきたから、こうすると気合が入るんだと思いますけど。私も長年やってますんで、この気持ちは理解できます。でもそろそろやめましょう。私はやめます。
B. 外野(監督、コーチ、チームメート等)うるさいポイントが終わる度に「足動かせ」とか「集中だ」とか「ゆっくり、ゆっくり」とか言う監督、コーチ、チームメート等。試合前のミーティングとかでもう言う事は言ったのでしょうから、試合に入ったら選手に任せましょうよ。その上、ソフトテニスではチェンジコートの時、アドバイスしてもいい事にルール上ちゃんとなってるじゃないですか。一球一球ごちゃごちゃ言うのはやめましょう。やっぱり見苦しいです。国を代表する選手たちが一球ごとに、監督・コーチのアドバイスが必要だとはどうしても思えません。逆にその行為がどれだけ選手の集中を妨げるか、ということは考えた事ないんでしょうか。そうです、試合に入ったらもう選手に全てを任せましょう。
でも、この状況もよく分かります。私もずっとそういう環境でテニスしてたから。ある種ソフトテニスでは外野がお節介なアドバイスを送ることがあたかも応援をしているという事に、いい事をしているように取られてますよね。ソフトテニスも硬式テニスみたいに品のあるスポーツになって欲しいものです。