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黄軍晟のフォアハンド
 

黄軍晟のフォアハンド。どフラットである。最小限のスピンしかあたえられていない。打点は低い(といってもバウンドの頂点をとらえたライジング)のだが、まるでネットのなんて意識してないかのようにボールは打たれている。事実、ボールはネットすれすれの軌道をとった。しかし、スピンレスだからボールは深い。ベースラインまですっとんでいく。非常にリスキーなテニスなのである。速くて深くて重いボール、つまり高品質のボールを打つことに集中している感じであり、まるでコートにいれることに関心がないかのようにみえるほどだ。しかし、それでいて、とてつもなく強いのだから、たまらないではないか?おそろしく魅力的な選手なのである。もちろん、コートにいれることに関心がないわけではない。ボールを打つことに対して、もっとも難しい方法を選択しているのである。妥協がないのである。

黄軍晟のフォアハンドグリップ。前回紹介した王俊彦よりもさらに薄いグリップ。グルップエンドを余さず手のひらでつつみこむようににぎっているが、これは台湾ではめずらしい。

グリップはイースタン。現役選手中でもっとも薄いグリップを選択しているひとり。どフラットなグリップである。バックハンドではグリップチェンジ。
ジュニア時代はあの葉育銘のコーチングを受けた。こよなく彼を尊敬していることが会話の端々から知れる。おもしろいのは師の葉育銘はグラウンドストロークにおけるフォアとバックでのグリップチェンジにいささか懐疑的な見解をもっていることだ。でもおしつけたりしないのだろうな。

テイクバックはコンパクトだが、サーキュラーモーションであり、パワーのためは充分である。彼等をみていると、日本の学生達のこけおどしのような大きなバックスイングがほんとうに異様にみえてくることがある。ぜんぜんかわってこないし、というか、なぜ、判で押したように、みな同じなのか?是非はともかくとしても、だ。

テイクバック時の膝を折れ具合をみよ!!(7コマ〜)90度あるいはそれ以上にまげられている。そしてそのパワーはほぼ前方に解放され、(スピンではなく)推進力に還元されている。フォワードスイングは22コマめからスタートしているが、ほぼインパクトにむけて直線的にスイングされ、パワーロスは限りなくゼロ。徹底したスピンレスの思想である。インパクトは24と25の間。26コマめまでフェースはフラットになっているが、これはイースタングリップではめずらしいこと、イースタンは(フェースが)オープンになりやすいのでインパクト後はボールをぐっとおさえつけるような動きをすることがおおいからである。フォロースルーの大きさはテイクバックのコンパクトさと好対照。このインパクトからフォロースルーにかけての美しさ、そして力強さは実に模範的、いや理想的ではないか?

普段の彼は、日本関係者からは「あのピアスの選手ですか?」とよばれるほど、とてもオシャレな今風の青年。日本の若者文化におおいに関心を持つ。極め付け?のイケメンであり、しかも180cm強の長身。人気が爆発してもおかしくない。

東アジア五輪の国別対抗優勝メンバーだが、試合では控えだった。個人戦も李鍾雨・金煕洙に翻弄され上位進出はならず。しかしその東アジア五輪の直後の国際札幌大会で圧勝し、いちやく注目をあびた。

 まあ、しかし彼はまだまだこれからの選手だ。今年、大学を卒業という若さなのである。実際、彼の最近の急成長ぶりは目覚ましい。先日の学生王座でもそのとてつもない実力の片鱗をみせた。正直比較する対象すらいない別次元の凄いプレーをみせてくれたのである。彼はベースライナーでもネットプレーヤーでもない。つまりオールラウンダーであり、その道の先達である王俊彦よりも可能性を秘めている気がしている。危険な、ヤバいテニスが今後どうなっていくか、おおいに楽しみにしたい。(by TOSHI)

東アジア五輪、札幌、学生王座でペアを組んだ葉佳霖と。
台湾体育学院の張監督と
2枚とも2006年3月台中市内のレストランで

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2006年中山カップ国際大会での黄軍晟(左下も同)。怪我をした楊勝發のピンチヒッターで出場。

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