SHI-TING WANG part4
復活編
Shi Ting WANGこそ、今大会の目玉だろう。予想どおり台湾予選は軽々ぬけたようだ。台湾は永らくエースだった林、鄭の二人が昨年の東アジア五輪を最後に引退し、柱がいなくなったところへのShi
Ting WANGの復活である。
彼女のテニスを分析してみよう。世界選手権では韓国の朴栄姫に4-0。日本の宮地雄子に4-0。外国相手には負けるどころか1ゲームもおとしていない。「私のスタイルになれていないからだと思う」とShi
Ting WANGは謙遜したが、それならShi Ting WANGだってそうでないか。こういう言い方なら可能だ「ワンの強さになれていなかった」。
強烈なアンダースピンをかけたスライスが非常に目立った。打てばエースという、一発必中の武器だったが多用するわけではない。このショットが強烈だったので、あれにやられた、と考えがちだが。もちろん重要な武器であり、さらにすごいのはショートボールとロングボールを同じ構えから打ちわけてくる。ベースラインまでするするのびてくるのと、ネットをこしてストンとドロップするボールの2種類あるわけだ。これは硬式の技術そのままだが、ソフトでスライスをこれだけうちわけわれる選手はまずいない。
クラブハウスの投稿にもあったが、スイングスピードの圧倒的速さこそ彼女の武器だ。
グラウンドストロークにおけるスイングスピードの速さというのは、ソフトテニスを硬式テニスと比較したときに必ずかたられるソフトテニスの一大特徴だがいったいこれはどうしたことか?
今、ビデオでみてもその差はあからさまであり、小さなテイクバックから、コンパクトにスイングされ、そのスピードはインパクトからフォロースルーにかけてどんどん加速する。彼女は決してトップスピナーではないが、エルボ−アップによる、ナチュラルなトップスピンはそのスイングスピードにより増幅され、またサーフェ−スとマッチしたこともあって、おそろしい勢いでキックし、相手をのけぞらせる。こんな凄いボールを打つ選手は日本にはけっしていないから、敗れた宮地選手を責める気には全然ならない。サービスも同じだ。あれだけのキックサーブを打てる人はだれもいない。日本にも韓国にもいない。
中国にはいた。当然硬式上がりの選手でそのサーブに日本は結構くるしめられたのは10年以上まえの名古屋のアジア選手権だ。あの時のことがまるでいかされていないのはどうしたことか。男子のサーブ力の向上はまさにめざましいが、女子ときたら・・・指導者の怠慢ではないか。
バックハンドは基本的にダブルハンドつまり両手打ちであり、速い球はない。ロブでふかくつないでくる。ときおり先のスライスがとんでくるので油断できないが。このスライスについてもっと書いてみよう。日本でもスライスを多用する選手がふえてきた。今回の代表の玉泉選手などはダブルスでも積極的に使い、非常に効果をあげている。しかしここでもワンのスライスはまるでちがう。コンチネンタルグリップからのめちゃくちゃに速いスイングそして極大におおきなフォロースルーで放たれたボールは日本人のもつアンダースピン系のボールへのイメージをはるかに超えたスピードをもって、コート深くえぐり、そして着地したその場に留まる感じだ。このスピード変化にだれもついていけなかった。台湾男子の放つ高速カットと同様な効果があるのだが、サービスコートの制約がない分だけ、こっちのほうがよほどたちがわるい。
実はワンにたいしてもこのボールは効果的だ。シングルスの決勝であたったパン・メイユンはフォアハンドからの強烈なスライス(というよりはチョップ)を多用してワンから1ゲーム奪った(パンはワンの練習相手として復帰してきた選手)。パンは世界選手権にでていた他の誰よりも天才で、誰よりも経験ゆたかで、誰よりもワンのテニスを知っている。そんな彼女が1ゲームしかうばえなかったのだ。この時のワンの強さを推して知るべし。
さてこれが3年前のワンのテニスだ。状況は4年前とかわったか?あまりかわっていない。これほどのストローカーはいない。
それどころかラケットの進化により、スイングスピードの鈍ってきた選手がめだってきた。最近のラケットはよく飛ぶが、明らかに飛び過ぎるものがあり、その飛びを押さえるような打ち方になってきている選手がおおいのが気になる。つまりグリップがだんだん厚くなり、スイングスピードが鈍くなるのである。選手の能力を最大限に引き出してこそ、なのだが、反対にスポイルしているような節がないでもない(なんて曖昧な表現!!)。高反発ラケットを使いこなせていないだけかもしれないが・・・・ラケット入れ替わりがあまりにはやくて、人間の対応能力の限界をこえているのではないか。
今回はどうか?
今回の日本の代表でワンのことをしっているの選手はだれもいない。韓国は朴栄姫、金明希、金瑞云と3人が知っている。この差は結構おおきい。しかも朴は直接の被害者?だ。
しかし、前回(1999世界選手権)のようには簡単にはいかない、とおもう。前回は準硬式といってもいい硬さをもつ台湾ボールでの大会であり、もっとも違和感がすくなく移行できたであろうこと。また当時の彼女はばりばりの現役プロであり、ツアープロとしての緊張感に満ちていたが、現在は一線をはるかに引いており、そのメンタリティは当時とは比較にならない。それを含めてもシングルスにおける彼女の優位は動かないと考えるが・・・・
このアジア五輪は世界チャンピオンの王、アジアチャンピオンの朴、そして東アジアチャンピオンの水上志乃、とシングルスの現タイトルホルダーが全員そろう。しかも全て国籍が違う。世界統一王座決定戦の様相を呈しているのだ。注目である。
男子は韓国の国内大会が常に世界統一王座決定戦となる。
SHI-TING
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WANG part2
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