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ダブルフォワードサンプラー part1 王・趙偏  

 ダブルフォワード同士のゲーム。手前は趙士城(左)王俊彦(右)。向こうは劉家綸(左)李佳鴻(右)。4人とも台湾。チェンマイアジア選手権大会前日の練習ゲームでのヒトコマだ。私のみるところ劉家綸・李佳鴻が世界最強のダブルフォワード。王俊彦・趙士城はそれに準ずる存在。ちなみに台湾は大会前、代表6人をバラバラにほぐし、ありとあらゆる組み合わせでダブルスゲームを試みていた。李・劉の掟破り?のペアリングはそうしたなかでひらめいた、と郭監督。まあこれは余談。

 サーバーは趙士城。サーブはミドルへ。アドコートではクロス一杯がセオリーだが、レシーバーがサウスポーの李佳鴻なのでここではミドルにいれるのがセオリーといえる。質のいいカットサーブをバックハンドで返すのは極めて困難であり、レシーバにフォアハンドを強制することになる(例え相手がバックハンドマスター揃いの韓国選手でも同じである)。つまりバック側に目一杯コントロールすればレシーバーのフォアサイドに広大なオープンスペースができることになる。

もし、あなたのカットがいとも簡単にバックで返球されるようなら、それはカットサーブとは呼べない。根本から考え直したほうがいい。

 

王俊彦。今年から兵役に入った。軍人として東アジア五輪の予選に方同賢のペアとして参戦。一位で予選通過を果たした。

趙のカットは台湾選手中最高の切れ味、現在の台湾男子は史上最高ともいえるクオリティのカットを身につけており、そんな中でトップの彼のカットがこの場所におちたら、リターンサイドから得点することはほとんど不可能である。

 レシーバの李佳鴻はサイドライン上に小さくおとすリターンをイメージしたのだろうか。しかしボールをもちあげすぎ、つまり充分にコントロールできず、その時点で勝負あった。ネットより高いところで相手に反応させたらダブルフォワード相手ではどうしようもない。ここでも前進してきた王俊彦の強烈なフォアのドライブボレーをオープンコートに叩き込まれ、ボールはワンバンドでバックフェンスへ。劉家綸・李佳鴻は構える間もあたえられていない。

 王俊彦のポジションにも注目。サービスラインのかなり後ろからサーブとともに前進し、ぐっとスペースをつめていく。王俊彦だけではなく趙士城も、王俊彦のサービス時、このような戦術をとることがままある。ルール変更でポジションの制約がなくなったわけだが、非サーバーがネット近くで常にかまえるわけではない。もちろん構えることもある、常に流動的、臨機応変である。この非サーバー、あるいは非レシーバーが後ろからリターンやカットサーブとともにプレスしていく戦法には正直驚いたし、感心した。前ルールでの成果といえるだろう。非常に効果的であった。

 

趙士城。今年(2005)は就職等で本格的な選手活動をひかえるとのことで王俊彦とのペアを解消。来年は復帰の予定(ペアは未定)。ただ、同じ事情で選手活動をひかえている劉家綸とのペアで試合にはでている。予選もあわや、というところまでいったらしいからさすがである。

 王俊彦はサービスラインの少しネットよりのところで李の打球動作にあわせてストップ(相手が打つ時は動作を止める、とまる、は例え地球がひっくり返ってもおこなわなければならない大原則だ。それは今日テニスをはじめたジュニアでも世界チャンピオンでも変わらない)し、スプリットステップ。このあたりが王俊彦の定位置であり、ここより前にいくことは、ほとんど、いやまず、ない。ダブルフォワードを急先鋒ともいえる存在の王俊彦だが、ネット際で、いわゆる「前衛」のような、ボレーをおこなうことはないのである。

 つまり、このサービスラインからすこしネットよりのところが彼にとっての最前線ということになる。ここから強烈なドライブボレーやスマッシュで攻撃し、もちろん守備的なやわからかいローボレー、ミドルボレーでも応戦する。やみくもにこのポジションで戦うわけでもない。ベースラインでじっくりラリーする根気も技術もある。彼はグラウンドストロークにおいても、高い打点のフォアハンドでは、現役世界最強の破壊力がある。

 動画の解説にもどろう。趙士城もほぼ同じところでスプリットステップ、趙士城は王俊彦とは逆にこの位置からネット際までがテリトリーである。上(スマッシュ)もためらわずにがんがんいくが、威力にはかなりそん色がある。深いところからのスマッシュ、ドライブボレーは王俊彦の独断場であり、趙士城のパワー不足を補ってあまりある。

スプリットステップのタイミングについてよく質問をうけるが、この動画は最良の教材かもしれない。

 サービス→リターン→ドライブボレー、わずか一往復半の極々短いラリーだが、語りだすときりがない。伝えたいことの半分も書いてないし、しかも大事なことが全て抜けている気もするが、根気もスペースも尽きてきたので次の機会に。


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