ミックスダブルスは2002アジア競技大会より導入され、以降毎年、東アジア競技大会をのぞく、3大会(アジア競技大会、世界選手権、アジア選手権)で競技されており、今回を入れて8度のビッグトーナメントがあったことになる。内韓国が7回優勝。
今回優勝のキムキョンリョンは2006年アジア競技大会よりパートナーを変えながら、なんと5大会連続で決勝進出。昨年に続き2大会連続で優勝を飾った。
優勝回数では2006〜2008に3連覇したキムチウンに及ばないが、連続決勝進出はチウンの4大会連続を上回ったことになる。(ちなみに女子ダブルスでは玉泉・上嶋が2003〜2006年に4大会連続で決勝進出、2004年から3年連続で優勝している)
ミックスダブルスは男子前衛の華麗なる競演である、とどこかで書いた(表現は違ったかもしれないが)。それは今年もかわらないが、3トップの引退で男子前衛陣がやや小粒になり、昨年からキョンリョンのベースラインショーの趣もある。むろんこういう要素はチウン時代にもあったわけだが、男子前衛があまりに強烈だったので極端に守備的だったものが、やや(男子前衛が)弱体化しスキができたことで、意志的、攻撃的になったのである。これが実におもしろい。
むろんキョンリョン自身の進化も著しい。男子前衛に究極のネットプレーがもとめられるなら、女子後衛には究極のベースラインプレーが求められるわけで、リーチャーホン(昨年のアジア五輪決勝)、中本といった世界の男子トップ前衛を手玉にとるキョンリョンのテニスが実に痛快、でかつ奥深いのである。やはり史上最強の女子ベースライナーは彼女だと思う。ミックスという新種目が新たな可能性は開いたのだ。ミックスは男子前衛を鍛え、女子後衛を成長させるのである。
ミックスダブルスを軽視する人がいまだにおおいが、実にもったいない。大きな損、一番おいしいところを見逃している。団体戦偏重も同様だ。
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