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男子国別対抗の準決勝は日本vs.台湾、韓国vs.中国の組み合わせで大会初日の夕刻、ほぼ同じ時間に始まった。
日本vs.台湾は大熱戦になり、三番勝負のファイナルゲームまでもつれる。一方の韓国vs.中国は2-0で韓国の圧勝。試合時間も驚異的に短かかった。なんと日本vs.台湾の一対戦めがまだつづいているときに、韓国vs.中国そのものが終わってしまったのである。その日本vs.台湾のNO.1ダブルス中堀・高川vs.李佳鴻・劉家綸は素晴らしい内容ではあったものの、長いラリーが続くといったゲームではなく、つまりそれほどのロングゲームではなく、密度の濃い熱戦が短時間で決したというゲームだった。
たしかに今年の中国男子は力不足な感じだが(昨年よりはいくぶんいい)、でもそれにしてもという気がする。時間短縮の最大の功労者は方峻煥でWANG
Hongを相手に4-1 4-0 4-0 4-0という驚異的なスコアをたたき出した。王(WANG)は最初のゲームの最初の1ポイントを取っただけで16ポイント連失。前日、前々日の練習でとてつもないレベルの力量をみせた方峻煥がそのままそこにいた。
そのテニスは翌日も持続、国別対抗決勝のシングルスでものちに個人戦シングルスに優勝することになる林舜武相手にいきなり8ポイント連取し、あっというまに4-0,4-0,4-1でG3-0、結局G4-1で勝利。なんと準決勝〜決勝にかけて24ポイント連取という物凄さである。
テニス自体も凄まじい。昨年のような慎重さとはうってかわった攻撃的内容でコートを目一杯つかったエース、エースの連続である。オーヴァーヘッドのサービスもコース、スピード、確率すべてにおいて非のうちどころが全くなく、まさにつけ入るすきがない、といった風であった。
林舜武は我々にとっては昨年の台湾国体でみたぎりのほぼ未知の選手だったのだが、あまりの方峻煥の強さ、完璧さに完全に彼の実力を見誤った。まさか個人優勝する選手だなんて・・・
方峻煥のシングルス優勝はかなりの確率で確実にみえたが、しかし彼(前大会優勝なのでNO.1シード)は初戦(二回戦)でインドネシアのEdi
KUSUDARYANTO(以下エディ)に1-4で敗戦。あっけなく消えてしまう(BANG 3-5 2-4
2-4 4-1 2-4 KUSUDARYANTO)。方峻煥は国際大会個人戦シングルスにおいて、出場した大会すべてに優勝しており(2000,2001,2003)、敗戦自体がはじめてでもある。
エディは国際大会初出場。まったくのノーマークといっていい。実は国別対抗でも(インドネシアは)韓国とあたっており、その時エディは黄晶煥と対戦G4-1(4-2,6-4,3-5,4-0,4-1)で黄晶煥がまず楽勝している。方峻煥に油断、国別対抗終了後のゆるみがあったか?
エディはインドネシアの元デビスカップ代表選手。
インドネシア男子の(硬式)テニスは世界的には無名(女子ではウィジャヤ(右画像)、プラクシャとかいった選手を輩出)
ソフトテニスは3年前にはじめたとのこと。世界ランキングは1000位台だったとのことで、これは1000位というよりはサーキットに参加しなかったと解釈すべきだろう。パワフルではないが非常に端正な技術をもっていて、現在にいたるまでに国際大会に出場した数多い硬式テニスキャリアのなかでも最上級の実力だろう。元デ杯選手の肩書きは伊達ではない。聞き損なったがまずまちがいなくストローク中心のベースラインスタイルの選手だったとおもう。年齢(世代)のわりには薄めのグリップ、といってもイースタンだが、のいささかクラシックなテニスだが、個々の技術の高さはさすがで、まさにオールラウンドな技量といえよう。
とはいえ、方峻煥とまともに戦って勝てる力があるわけではない。
デ杯選手ということで1999年の世界選手権女子シングルスにおけるSHI-TING
WANGを思い浮かべる人もいようが、とんでもない。SHI-TING WANGはあの時点で確実に他の選手を実力で(遥かに)凌駕していた。今回は格下の相手に序盤ミスがつづきゲームを落とした方峻煥がパニックになってしまったのだ。方峻煥のひとり相撲だった。これはエディ自身が我々のインタヴュ−に応えて言っていたことでもある。短時間で、わずか16ポイントで決する特異なルールをエディは良く分析できていた。むろん方峻煥がそれを知らないわけではない。知り抜いている。苦い経験も3度ある。ここまで彼は個人戦のシングルスでは無敗だったが、国別対抗では過去三度敗れている。そのどれもが似たような展開だった。そこにいたのは気弱な方峻煥だった。しかし、昨年の世界選手権の国別対抗では準決勝の日本戦、決勝の韓国戦ともトップが敗れたあとにでてきて、快勝。そして今回の国別対抗でのいままでのイメージを覆すような攻撃性。彼唯一つの課題だったメンタル面の問題を解決したかにみえたのだが・・・
方峻煥が国別対抗終了直後(午前中に国別対抗の決勝、午後から個人戦シングルスという変則スケジュール)という状況で集中を欠き、思いもよらぬ相手に序盤のリード許したことで浮き足だち、自分のテニスをすっかり見失ってしまったこととは対照的にエディはあくまで自分を貫いた。つまらないことをいうようだが、いいたいことはこうだ。硬式テニスキャリアが国際大会にでてきた場合にそれはなかなかできないことなのである。素晴らしいサービスをもちながら、台湾選手のカットに驚き、感心し、すぐにゲームにとりいれる。積極的といえばいえるが、それが好結果を生むわけがない。グラウンドストロークでもそう。韓国、日本、台湾の圧倒的なスイングスピードとボールスピードに自らのスイングをわすれてしまう硬式キャリアのなんとおおいことか。アメリカの男子選手などはその典型だろう。
その点エディはいままで自分がやってきたことしかやらなかった。自分のできることしかやらなかった。それはデ杯選手として、国の代表として戦った経験がそうさせたのだろう。グラウンドストロークにおけるスピードこそ見劣りするが、プレースメントは抜群でオープンコートの使い方はうなるほどうまい。オープンスペースなんて言葉さえないソフトテニス界にくらべて、フルサイズシングルスずうっとやってきたのだから、当然だが。ボレーも厚いグリップが使えないのでパワーこそないが、ラケット面のコントロールはさすがでオープンフェースからのドロップボレーなど比肩できるのは金耿漢ぐらしかおもいうかばない。まさに絶品である。サービス、スマッシュは無論素晴らしい。
ソフトテニスにおいて序盤のミスは致命的である。特にルールが変わって死角がふえたシングルスではそうだ。7ゲームというサイズは今のシングルスにはあわないと思う。9ゲーム、いや11ゲーム、あるいは7ゲーム3セット制などが検討されてもいい時期がきている。ダブルスも同じだが・・・
韓国男子の朱監督はこの試合終了後、方峻煥に長い間アドヴァイス、いやお説教か?。それだけではあきたらず全員を集めてこれも長時間ミーティングをおこなった(右画像)。大会全体として韓国男子はリラックスムードだったし、これは負けたからいえることなのだが、わるくいえばもうひとつピリッとしたムードに欠けていたか?。朱監督は聞慶市庁監督、代表には聞慶から3人(黄晶煥、金煕洙、方峻煥)。その三人とも国際大会経験豊富なベテランであり、そう言う意味でも緊張感にとぼしいのもしょうがない面もあったかもしれない。
このミーティングの効果があったのかなかったのか、すくなくとも方峻煥は今大会では立ち直ることはできなかった。
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