それは不可能な任務・・・2011全日本レヴュー


前日夜半まで、降った雨は嘘のように晴れ上がり、気持ちのよすぎるぐらいの秋晴れ、絶好のテニス日和といいたいところだが、前日午後よりの強風はふきやまず、テニスに大きく影響した、が結果には影響しなかった、のだろうか?

男女とも5月の世界ソフトテニス選手権予選会優勝ペアがそのまま日本一となった。 強風でどのペアもボールを扱うのに精一杯、まず風との戦いに神経をすり減らされた。だからみていて凄い戦いと言う感じではない。アウトドアの試合は自然環境の影響無しというのはありえないし、当然考慮されるべきことなんだけれども(それが醍醐味という人もいる)、限度をこえていたとおもう。想定外の強風だったのではないか?

特に女子は風との戦いに終始、そうしたなかで前衛が全く機能しなくなった。特に準決勝 高橋・山下vs.安川・石井は風に翻弄されたゲーム。勝利の女神は強風にあおられ右往左往。

学生ペアの決勝進出は久々かとおもったが山口・山下(東京女子体育大)以来2年振り。高橋は初のベスト4。山下はその山口・山下での決勝進出以来のベスト4。

もう一方の代表が3人いる準決勝、上原・阿部vs.杉本・森原はさすがに好試合。とくに大きくリードされてからの上原の捨て身の激しい強打にはアジアの女王の凄みがあった。上原は2年連続のベスト4。世界、の舞台で連勝中の彼女がなぜか全日本の壁が破れない。現在ソフトテニス界の7不思議のひとつといえるだろう。阿部は2008年の決勝進出(ペア中川)以来のベスト4。

杉本・森原は今シーズン、予選会、西日本、全日本社会人、皇后杯と主要な大会すべてに優勝、年間完全優勝といえる(杉本は全日本シングルスも優勝しておりまさに完璧)。杉本は4年振り2度目の皇后杯獲得。決勝進出は3度目。森原は初優勝。このペアでは2年連続の決勝進出。森原は高校時代にベスト4がある。

男子も準決勝、篠原・小林 vs.村上・高川がいいゲーム。夏の間死んだふり?していた両ペアだが、やはり実力は桁違い。篠原・小林のダブルフォワードに対応できていたのは高川唯一人だったといってよい。

もう一方の準決勝は全日本社会人決勝と同じ顔ぶれ、ゲームは松口・山口の一方的な展開に。堀は3年まえの決勝進出以来のベスト4、長江は初のベスト4。

決勝は出足から篠原・小林が凄い勢い、一気に3-0。松口・山口はそこから切り替えてくるが、風下で2ゲームかえしたにとどまった。今の篠原・小林に0-3となるのはヤン・リー相手に0-3になるのに等しい。そこから勝利を得るのはミッションインポッシブル それは不可能な任務、なのである。とくに風上からカットサーブ&ダブルフォワードに対するのは極めて困難。

松口は5年振りの決勝進出。小林とのペアで3位もある(2005)。山口は初の決勝進出、この山口の良さに感心する人が多かった。サウスポーでもあるし、今後に多いに期待したいもの。このペアでは5月の世界選手権予選でも最終4組に残っている。

篠原・小林は他の国内タイトルでは勝ちまくりながら、この天皇杯には、縁がなかった。なんと昨年の大会ではじめて最終日(準優勝)にのこったほど生みの苦しみをあじわった。 あとは世界あるのみ、27日開幕する第14回聞慶世界ソフトテニス選手権におおいに期待したい。







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