全国実業団のトップ8が3日間にわたって総当たりのリーグ戦
今シーズンもあっという間にインドアシーズンに突入である。すでに関西学生インドアと全日本団体王座戦が終了し、いよいよ今週末には日本リーグが開幕する。
高校選抜のプレヴューでも書いたが、とかく団体戦はおもしろい。その究極がこの日本リーグなのだ。無論国際大会の団体戦(国家対抗戦)は別にしての話しであるが。インターハイもおもしろい。インカレもすばらしい。夏の実業団も盛り上がる。しかし、この日本リーグは格別である。なにしろ全国実業団のトップ8が3日間にわたって総当たりのリーグ戦をくりひろげるのである。地区リーグ(地区によってはさらに数部にわかれている)、実業団リーグ、日本リーグと三段階に分かれており、日本リーグに昇格することは至難である。
夏の全日本実業団選手権で10年振りに3度目の優勝(昨年も決勝に準優勝)を果たした川口市役所が数年前に日本リーグから転落したまま今シーズンも復帰を果たせなかったことでもわかるように、下部リーグも激戦だからである。
試合がゆるむということがない
もうちょっとシステムの説明をすると日本リーグの下位の2チームは実業団リーグの上位3チームと入替戦を行う。だから負けがこんで上位入賞の目がなくなったチームほどお尻に火がついた状態となり、試合がゆるむということがない。
むろん優勝争いは激しい。実力チーム揃いとはいえ優勝まであるのは男女とも3チームほどだが、下位のチームでも一発喰ってやろう、という闘志にあふれており、上位チームも常に息がぬけない。
たとえば昨年、下位の常連(?)のJT広島はほぼ全員がカットサーブで武装し、戦術も攻撃型(?)平行陣(二人ともネットラッシュ)を敷き、実に意欲的なテニスをみせ唸らせた。残念ながら星はのびなかったが、その意気は大いに買いたい。
今年から導入されるシングルスにどう対処するかがキー
予想をすこし。男子は中堀・高川組(昨年ただ一組全勝だった)という軟庭界の至宝抱えるNTT中国が6年ぶり5回目の優勝を果たしたが、今年は高川選手の故障もあり、また夏の実業団をみても意外に層が薄く、厳しい戦いとなりそう。
むしろ昨年2位の京都市役所が本命か。天理大から今年合田選手が加わり、いっそう強力になった。
一昨年優勝の東邦ガスは夏は2年連続して決勝(昨年優勝)に進出しており、最有力のチームのひとつだが、今年から導入されるシングルスにどう対処するかがキーか。先にあげた2チームは日本代表クラスのシングルスのスペシャリストをかかえており、その点、東邦ガスは遅れをとっているといえよう。しかし同チームの大ベテラン篠辺選手は石岡選手(残念ながら実業団選手ではないので日本リーグではみられないが) とともにみていて最高に楽しい選手でいわばインドア向き。今年も是非試合(最近出ないケースが多いので)に出場してもらいたいし、多くの人に彼のプレーをみてほしい(昨年の最終戦での中堀・高川戦はじつに美しいゲームで忘れがたい)。
やはりナガセケンコーと東芝姫路
女子はやはりナガセケンコーと東芝姫路が最有力だが、皇后杯の予想でも書いたよう(当たらなかったが)にナガセケンコーが頭一つ抜けた感がある。先に行われた王座戦でも13年振りに優勝しており、以前最有力の座は動かないだろう。シングルスでも一日の長がありそうだし。むしろ東芝姫路は下位のチームと戦うのが大変そうだ。夏はなんとベスト8に終わったし、王座戦でも青山学院に破れてナガセケンコーとの決戦すらできなかった。不気味なのは今年いささか不振なNTT中国、実力はあるだけに期待したい。またのびざかりのタカギセイコーフェアリーズもここいらでビッグタイトルがほしいところだろう。
シングルスがソフトテニスの魅力をスポイル?
先にも書いたが今年よりシングルスが導入される。ほんとうは手放しでこの大会の観戦を勧めるところなのだが、このことがひっかかり躊躇してしまう。先日、日本リーグの下部リーグである実業団リーグがやはりシングルスを導入して開催されたが、観戦したかたからの投稿(クラブハウス)にもあったとおり、いまひとつ盛り上がりにかけたようだ。シングルスはどうもソフトテニスの魅力をスポイルしてしまうのではないか、という気がしてならない。すくなくとも私がみたシングルスは退屈そのもののしろもの(世界大会でさえ)だった。ここでは深入りはしないがいずれ書きたいと思う。
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