すべてはここにある!!1997天皇賜杯・皇后賜杯 全日本総合選手権大会 プレヴュー(1997.9.24)


すべてはここにある!!

いよいよ、今年も全日本の季節がやってきた。筆者は今回で15回目の観戦となるが大会が近づくと胸の高鳴りを禁じ得ない。それほど本大会は魅力的である。ごらんになっていない人にその魅力を伝えるのは至難というより不可能でまさに、百聞は一見にしかず、ごらんになってください、というよりほかにない。


冬期に各地でおこなわれるインドア大会(特に大阪、東京)もそれなりに魅力的ではあるがあれをもってソフトテニスの神髄をみた、などとは決していわないでほしい。すべてはここ(全日本)にある!!

この大会と同等以上の魅力を持つのは世界選手権やアジア選手権等の国際大会で、これも掛け値なしにすばらしい(と言うより日本が世界のNO.3(4?)まで落ちた現状では全日本を遙かにしのぐレベルといわねばならない)が残念ながら最近は国外で開催されるケースが多く、日本開催は2000年の佐賀で開かれるアジア選手権までおあずけである。
とにかくだまされたつもりで会場に足を運んでください。きっと目から鱗が落ちること請け合いです。

そこでいささか老婆心ながら観戦のポイントを少し。

大会は9月26日、27日、28日の3日間で今年は三重県鈴鹿市の県営鈴鹿スポーツガーデン(あの鈴鹿サーキットのすぐそば)で開催される。サーフェースは最近主流と成りつつあるオムニコート(砂入り人工芝)。交通アクセスはあまりよくないが車でいかれるのが一番便利。電車で行かれる方は近鉄白子駅よりバスかタクシーとなる(大会日程のページに時刻表等をのせておきました)。

全日本がもっともその魅力を発揮するのは4回戦、5回戦

大会のスケジュールは例年の通りだと初日に1.2回戦、2日目に3~5回戦を消化、これでベスト8が出揃う。最終日は準々決勝~決勝までを行う。多少変動はあるかもしれないが多分今年も雨さえふらなければ同様に進行するとおもう。

ここで要注意だが、多くの人の関心は最終日のベスト8以上の激突に向くとおもうがさにあらず、全日本がもっともその魅力を発揮するのは16本取りの4回戦や8本取りの5回戦なのだ

典型的な例が昨年の男子で最終日に行われた7試合は(厳しくいうとだが)凡戦ばかりだった。それにくらべ前日の夕刻の試合の激しかったこと。

特に世界チャンピオンの北本、斉藤組が若手の渡海、合田組(天理大)の猛烈なチャレンジをうけ、壮烈に散った様はいまも脳裏に焼き付いている。準々決勝以降に好試合(最近では、神戸での篠辺・稲垣VS.北本・斉藤、仙台での森田・高川VS.篠辺・稲垣、上松・大橋VS.神崎・小野寺が実にすばらしい試合だった)がないとはいわないが、どうかすると(特に準決勝以降は)緊張力がたかすぎて(どうしても先をみてしまうか?)好試合が生まれにくいようだ。だから全日本をみるなら2日目それも午後といいたい。独断と偏見と思ってもらってかまわないが全日本観戦歴15年の目でいっていることだから、門前の小僧もなんとやらで、頭の隅にでもいれておいていただきたい。

中堀・高川があの木口・横江以来の3連勝に挑戦

さて男子は中堀・高川組があの木口・横江組以来の3連勝に挑戦となり、彼らを優勝候補の筆頭としたいところだが、高川選手が故障で春先から夏にかけて試合にでておらず、連勝に黄信号が点った。全日本にはこのペアで出てくれると思うが苦戦は必至か。

世界選手権とアジア選手権の2つの個人タイトルをもち過去本大会2連勝を含む3度優勝を誇る、まさに日本のエースといえる北本・斉藤も中堀組と並んで本命中の本命だが全日本では一昨年best8,昨年best16と不本意な成績に終わっており不安を残す。

正月の東京インドアを制した平山・土師組(昨年best8)も最有力の一組、とくに土師選手は今が盛りといった風の抜群の切れ味で期待大。

昨年は天理大の2組がbest4にはいり話題となったが2組とも前衛が卒業しており今年はどうか。特に松原選手に期待したいが。

昨年二位神崎・小野寺を筆頭に、若手、ベテランに有力候補がぞろぞろ・・・

若手では学生よりも社会人の決勝を争った2組(優勝 浜口・村中組 準優勝 玉井・紙森組)に期待したい。とくに学生時代はなりをひそめていた感のある村中選手は今大会もっとも注目すべき選手ではないだろうか。昨年暮れの学生インドアでみた村中選手は他の学生前衛たちとは比較を絶した柔らかさで驚いた。浜口選手との天才ペアはパーマネントなものでないようで全日本にこのペアででるかどうかは筆者には不明だがもしでるとすれば浜口選手も地元国体を目前にひかえて練習も充分だろうから本大会の台風の目となることであろう。

昨年抜群のうまさで決勝まで勝ちあがった神崎・小野寺組だが、今年も神崎選手の地元でもあり、昨年の以上の成績を期待したい。彼らは昨年でも全盛期の半分ぐらいに感じられたがそれでも決勝まで勝ちあがる地力はあるわけで、小野寺選手の復調次第ではもう一度トップに君臨することは決して不可能ではないと思う。

ベテランで今年不気味な動きをみせているのはペアをかえながら中国選手権と西日本選手権を制した上松選手。他の国内タイトルはほとんど制している上松選手だがどういうわけか全日本はbest8(4度、昨年は中堀・高川組に破れて16本)が最高で獲り残している。全日本では誰と組むか不明(多分大橋選手だと思うが)だがダークホース的存在である。

女子 古澤(ナガセケンコー) 3連覇なるか?

女子も古澤選手の3連勝がかかる。ナガセケンコー対東芝姫路の2強の時代が長らく続いているが、東芝は昨年度末に主力選手がごっそり引退しており、昨年の1位2位をそのままのこしたナガセケンコーに今年は大きくみずを開けられた感があったが、砂本(姉)・宮地組が西日本、社会人と連勝して急速に追い上げてきた。それでもナガセ優位は動かないとおもうがおもしろくなってきた。個人的には3年連続2位の八谷選手にとらせてあげたいと思うが。







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