
シングルス導入初期のころ、アジア選手権と世界選手権においてはダブルスとシングルスが同時進行で両方にエントリー出来なかった。その場合は(ダブルス2 シングルス1 or ダブルス1 シングルス3)を選択を強いられたのである。
ちょっとこれは論外で、そのことでトーナメントはあまりに大きな犠牲をはらってきた。例えば1995世界選手権では前回(1991)ダブルスチャンピオンのチャンハンソクがシングルスのみの出場だし、1999世界選手権ではあの廖南凱、葉育銘(台湾)が個人戦ではシングルスにしか出場していない。2000年のアジア選手権では前年(1999)の世界選手権で優勝したキムキョンハンがダブルスにしか出場しなかった、等々,枚挙にいとまが無い。

解消されたのは2001年の東アジア競技大会より(東アジアは1997年大会でも重複エントリーを実現しているが代表枠は5)。この年から代表枠は6人となり、ダブルスに3組エントリーできるようになった。トーナメントの質が飛躍的に向上したことはいうまでもない。
この方式は2008年のアジア選手権まで続く(除アジア競技大会)。この間の個人戦ダブルスの充実、特に男子、は筆舌に尽くし難く、間違いなくソフトテニスの黄金期であったといえるであろう。
ところが、である。
2011年の世界選手権よりエントリー数は各国6人のままで個人戦の登録をダブルス2シングルス2とレギュレーションを再びかえてしまう。そのために前年のアジア競技大会ダブルス金メダリストであり、2008年のアジアダブルスチャンピオンの上原絵里がダブルスに出場しないという珍妙な事態となった。男子ではアジア競技大会ダブルス2連覇という究極の偉業をなしとげたヤンシェンファがシングルスのみのエントリーであった。
前とちがうのは両方にエントリーできないということはなく、単純に1枠減となった点だが(たとえばキムドンフン、キムキョンリョンは両方に出場している)、日本、台湾は単純にダブルスとシングルスに選手を振り分けている。いずれにせよ、トーナメントの質は急降下。2003〜2009の充実はどこへ?これは悪夢だとおもいこみたかったが、このレギュレーションは昨年のアジア選手権でも踏襲される、そして今回の1減。2011年にはじまった国際大会の劣化はもうとまらないのか?(劣化のきざしはこれだけではないがそれはまたいずれ)

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