サーフェイス考(1997.5.5記)


いささか古い話しになるが、女子選抜を観戦して気づいたことをひとつ。

サーフェイスだけが変わった!


この大会は2日間に渡って開催されるのだが、初日と最終日でコートが違っていた。

場所が変わったわけではない。サーフェイス(表面)だけが変わってしまったのだ。

初日は東京体育館の本来のウッド(板張り)コート、最終日はカーペット、つまり本大会を開催しているナガセケンコーの自社製品であるケミカルコート、が敷かれていた。

なんだ、そんなことならよくあるよ、といわれそうである。たしかにソフトテニスではめずらしいことではない。1月のジャパンカップでも同様だったし、極端な例だと決勝だけカーペットが敷かれたこともある。どこかおかしいと思う。カーペットを敷くことではない。サーフェイスが(これだけビッグな)大会の中途で変わってしまうことである。

アウトドアの大会なら天候が不順なときがあるから進行上しようがないときはあると思う(それでも仙台の全日本総合のときのようにあるブロックだけ体育館なんていうのはどうかと思う)。

テニスの質までが決まってくる

インドアでサーフェイスを変えるのは一番には見栄えの問題だと思う。

特にテレビ中継があるときは板張りでは非常に見ずらくなる。だったら最初からカーペットを敷くべきではないだろうか。

どの種類のコートでやるかにによってテニスの質までが決まってくるはずである。

アウトドアにしたって以前はクレーと決まっていたが、砂入り人工芝(その基礎工事をみるにハードコートに分類されるべきものであろう 注1)の台頭により、硬式テニス程ではないものの、多少事情が複雑になってきたところでもある。

亜流ではない、のだが・・・

これから国際的にさらなる発展を遂げるにはこういったところにも気を使う必要があるのではないだろうか。

なにしろ世界隅々まで硬式テニスが浸透しているのだ。

どこへいこうと比較されるに決まっているではないか。

いくら、ソフトテニスは硬式テニスの亜流(注2)ではない、とリキんでみたって、同じ(サイズの)コート、似たような道具、似たようなルールでやっているのだ、通用するわけがない。

硬式はやはり(ソフトテニスにくらべ)ビジネスとして成立していることもあってルール、マナーとも非常に洗練されている。ソフトテニスの洗練されない泥臭い魅力を否定する気はない。

が、不合理だと思える点は(これからは)迅速に改善すべきであろう。

このようにソフトテニスから少し離れて改めて見直してみるといろいろ不合理な点やおかしなことに気付く。それらについては近いうちに触れたいと思う。

(注1)現在はまさに砂入人工芝全盛だが、個人的な意見を述べるならば、あまり好ましい状況ではないように感じる。やはり競技的な面からも健康的な面からもソフトテニスにはクレーが最適と思われる。野球におけるドーム球場のように砂入人工芝全盛の背景には経済的な事情が絡んでいるのであろう。たしかにそれも大事な要素ではあると思うが、あまりにもプレーヤー不在の認識に過ぎはしまいか。そんななかで韓国で行われる東アジア競技大会とアジア競技大会のためにソフトテニス専用に新設されたコート(確か16面)にはクレーコートが選択されたと聞く。その見識を高く評価したい。
(注2)この問題、亜流かどうか、についてはいずれ論じてみたい。







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