競技としての矜恃はどこへ・・・・天皇賜杯皇后賜杯全日本ソフトテニス選手権観戦記

閉会式 安東光二日連新会長の挨拶
閉会式 安東光二日連新会長の挨拶

波乱は少なく見えるが内容的には・・・・

雨が大きく影響した今年の全日本、特に女子におけるシード勢の総崩れに顕著、男子は比較的波乱は少なく見えるが内容的には雨の影響は大きい、つまり内容に乏しい。

無論選手の所為、ではない。コートは使用可能かもしれないが、(まともな)プレーは不可能な状況だったとおもう。

雨中の四回戦を戦う第一シード篠原・小林(vs.吉岡・杉尾)。
雨中の四回戦を戦う第一シード篠原・小林(vs.吉岡・杉尾)。

近年砂入人工芝で行われるトーナメントにおいて、これぐらいの雨で進行が中断することはまずないし、続行が当たり前だが、それが本当に当たり前でいいのか、一度じっくり考えてみる必要があるのではないだろうか?

大会中日の本来ならもっとも見せ場である8本取りの試合が終わってその日のスケジュールが終了したのは午後の早い時間帯だった。その頃から雨があがったのは皮肉だし、なんとも恨めしかった。

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3位の8人

次善の策ではあるが・・・・

最終日は準々決勝の男女それぞれ4試合を外で行い、準決勝以上を屋根付きのコートで行った。

屋根付きだけならともかく、サーフェースが砂入人工芝から砂取人工芝に変更になった。

もう何年もこういう状態がつづいている。当然だがゲームの質に影響する。大抵の場合は水準が下がる。それ以前に同じトーナメント内でサーフェースが変わるのは大きな問題で本来あってはならないことである。

以前は決勝だけだったが、それだとあんまりなので準決勝からになったのだろうが、しかし当然ながら、次善の策ではあるが、問題の解決になっていない。

砂取するのはテレビ中継の為である。全日本のテレビ中継は念願であったし大切であることは論をまたない。継続しなくてはならない。しかし競技としての矜持はどこいった、とも考えるのである。

準優勝の水澤・長江、若田・泉谷
準優勝の水澤・長江、若田・泉谷

史上初の男女学生優勝 それの意味するものは・・・

結果は男女ともインカレチャンピオン(船水、志牟田・地中)の優勝となった。全日本71年の歴史のなかで学生が優勝したのは男子で8回 女子で11回目と意外なほど少ない。男女とも学生選手が優勝というのは、決して短いとは言えない時のなかで、史上初である。これは何を意味するのか?

女子決勝

志牟田のアングルショットが見事。若田・泉谷を翻弄した。(決勝の二組はいずれも3年めと2年めの選手のペアリング)。

松蔭ペアと東芝は国体でも一緒、つい先日も練習試合で手合わせしたそうで、そこでは東芝ペアにかなり分があったとのことだが、皇后杯の決勝という最高の舞台で結果は逆になった。ドラマテックではある。

シード陣、それにアジア選手権代表隊は総崩れといっていい。それは先に書いたように雨の所為、ではあるが、本音を言えば、そこを踏ん張ってほしいなあ、ともおもう。ベスト8にアジア選手権団体メンバー6人中1人だけというのはいくらなんでも・・・

新チャンピオン志牟田のフォアハンド
新チャンピオン志牟田のフォアハンド
男子

船水・星野は決勝を含めて7試合戦い、5−2が二回、5−1が4回 5−0が1回という圧勝 35ゲーム獲得し、失ゲームが8!!記録をあたる余裕はないが、稀にみる(スコア上の)強さを見せたといえよう。

これは準決勝の船水
これは準決勝の船水

テニスはまずオーソドックスなもので保守派の方々も満足?
船水はその若さに似合わない完成度の高さがあるが、守りに入っているわけでは勿論なく、当然進化しつつある。サービスの威力を増し、じっくりボールを引きつけたフォアハンドは熟成され、さらに天下一品のバックハンド(これは本当に素晴らしい)。
ダブルフォワードに対しては実に巧みにロブを使い、鋭い、しかも抑制の効いた攻撃でトドメを刺す。

ダブルフォワードをそうではないペアが攻略した、そのことに溜飲が下がる人もいよう。

ただこれがベストかどうかはなんともいえないというのが正直なところである。つまり手放しで賞賛とはいかない。答えがでるのは3週間後に迫ったアジア選手権・・・・でもない。当然、アジア五輪(ASIAN GAMES)そしてその後の世界選手権の舞台である。

これは準決勝から
これは準決勝から。 昨年の全日本シングルス、1月の全日本インドア 夏のインカレ単複、そして先日の天皇杯。獲れる全日本タイトルは若干20歳で全て獲得したことになる。あとは国際タイトル、まずは来週の千葉だ。

むろんここでのテニスが通用しないのではないか、というような皮相なことを言っているのではない。今回はここで勝つために最良の選択をした結果であろうし、そのことに異を唱えるつもりなど毛頭ない。判断がつかない、といっているだけでである。彼が千葉、いや違った、2年後のアジア五輪やその後の世界選手権の場で韓国、台湾の強豪を相手にどのようなテニスをみせるのか、今からワクワクするのである。

五位(ベスト8)の男女それぞれ四組
五位(ベスト8)の男女それぞれ四組
いろんな意味で天皇杯は、最早、頂点ではない。通過点、いや日本国内での頂点にすぎない。そのことが何事にも優先して大きな意味を持った時代は去った。ベテランと言われる選手ほどアジア選手権を意識しているというかピークを11月の千葉に設定している感じであり、今回はそれほど本調子ではないように感じるのだ。



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