2011 ALL JAPAN全日本ソフトテニス選手権大会
10月14、15、16日 松本市浅間温泉
全日本ソフトテニス選手権は優勝者がその年度のランキング一位になることが決定している文字通り日本一決定戦。男子優勝ペアには天皇杯が、女子優勝ペアには皇后杯が授与される。ここで勝つ事は、日本のソフトテニス選手にとって最高の栄誉といえる。
- MAIN
- 篠原・小林 ついに日本一 の瞬間
- 動画 杉本・森原 今期全冠!!
- レヴュー
- 篠原秀典
- 小林幸司
- 杉本瞳
- 森原可奈
天皇杯 篠原秀典・小林幸司(日体大桜友会・ミズノ) ついに日本一!!
決勝 [松口・山口(ヨネックス・日体大桜友会)2−5篠原・小林(日体大桜友会・ミズノ)]
準決勝 [松口・山口(ヨネックス・日体大桜友会)5−2堀・長江(NTT西日本広島)][篠原・小林(日体大桜友会・ミズノ5−3村上・高川(NTT西日本広島]
準々決勝 [白井・堂野(学連ー明治)1−5松口・山口(ヨネックス・日体大桜友会)][堀・長江(NTT西日本広島)5−4桂・泉山(学連ー早稲田)][篠原・小林(日体大桜友会・ミズノ5−2品川・中本(学連ー早稲田)][花田・花田(京都市役所)3−5村上・高川(NTT西日本広島)]
他の国内タイトルはとりつくした(しかも何度も)篠原・小林。ついに天皇杯を獲得。名実ともに日本一に。2年連続の決勝進出。篠原秀典は2005年全日本シングルスに優勝しており、単複で日本一を達成(中堀、高川、小峯、鹿島につづいて史上5人目)
皇后杯 杉本瞳・森原可奈(東芝姫路) 今期国内全冠達成!
決勝 [安川・石井(学連ー早稲田)3−5杉本・森原(東芝姫路)]
準決勝 [安川・石井(学連ー早稲田)5-4高橋・山下(山口県体育協会)][上原・阿部(ナガセケンコー)4−5杉本・森原(東芝姫路)]
準々決勝 [佐々木・大庭(NTT西日本広島)3−5安川・石井(学連ー早稲田)][府藤・渡邊(ヨネックス)2−5高橋・山下(山口県体育協会)][上原・阿部(ナガセケンコー)5−1深澤・宮下(東芝姫路)][~田・小林(NTT西日本広島)4−5杉本・森原(東芝姫路)]
杉本瞳・森原可奈は名門実業団東芝姫路のエース。杉本は2007年に上嶋亜友美とのペアで優勝しており、今回が2度目。また2006、2010年に準優勝、決勝進出も今回で4度目となる。昨年は上原絵里(ナガセケンコー)とのペアでアジア競技大会ダブルスで金メダルを獲得。現在、日本といや世界を代表する選手である。森原は初優勝。昨年も同ペアで決勝に進出。高校生だった2007年に3位という実績がある(ペア深澤)。杉本・森原は4月からの今シーズン、世界選手権代表戦、西日本選手権、全日本社会人、そして今回の皇后杯と主要タイトルを独占、完全無欠のランキング一位を獲得。また杉本は全日本シングルスでも優勝しており、単複の日本一位となる。
優勝 | 準優勝 | 三位 | |
天皇杯 | 篠原秀典・小林幸司 (日体大桜友会・ミズノ) |
松口友也・山口大地 (ヨネックス・日体大桜友会) |
村上・高川 (NTT西日本広島) |
堀・長江( (NTT西日本広島) |
|||
皇后杯 | 杉本瞳・森原可奈 (東芝姫路) |
安川真璃子・石井友梨 (学連-早稲田) |
上原・阿部 (ナガセケンコー) |
高橋・山下 (山口県体育協会) |
2011全日本レヴュー『それは不可能な任務・・・』
前日夜半まで、降った雨は嘘のように晴れ上がり、気持ちのよすぎるぐらいの秋晴れ、絶好のテニス日和といいたいところだが、前日午後よりの強風はふきやまず、テニスに大きく影響した、が結果には影響しなかった、のだろうか?
男女とも5月の世界ソフトテニス選手権予選会優勝ペアがそのまま日本一となった。 強風でどのペアもボールを扱うのに精一杯、まず風との戦いに神経をすり減らされた。だからみていて凄い戦いと言う感じではない。アウトドアの試合は自然環境の影響無しというのはありえないし、当然考慮されるべきことなんだけれども(それが醍醐味という人もいる)、限度をこえていたとおもう。想定外の強風だったのではないか?
特に女子は風との戦いに終始、そうしたなかで前衛が全く機能しなくなった。特に準決勝 高橋・山下vs.安川・石井は風に翻弄されたゲーム。勝利の女神は強風にあおられ右往左往。
学生ペアの決勝進出は久々かとおもったが山口・山下(東京女子体育大)以来2年振り。高橋は初のベスト4。山下はその山口・山下での決勝進出以来のベスト4。
もう一方の代表が3人いる準決勝、上原・阿部vs.杉本・森原はさすがに好試合。とくに大きくリードされてからの上原の捨て身の激しい強打にはアジアの女王の凄みがあった。上原は2年連続のベスト4。世界、の舞台で連勝中の彼女がなぜか全日本の壁が破れない。現在ソフトテニス界の7不思議のひとつといえるだろう。阿部は2008年の決勝進出(ペア中川)以来のベスト4。
杉本・森原は今シーズン、予選会、西日本、全日本社会人、皇后杯と主要な大会すべてに優勝、年間完全優勝といえる(杉本は全日本シングルスも優勝しておりまさに完璧)。杉本は4年振り2度目の皇后杯獲得。決勝進出は3度目。森原は初優勝。このペアでは2年連続の決勝進出。森原は高校時代にベスト4がある。
男子も準決勝、篠原・小林 vs.村上・高川がいいゲーム。夏の間死んだふり?していた両ペアだが、やはり実力は桁違い。篠原・小林のダブルフォワードに対応できていたのは高川唯一人だったといってよい。
もう一方の準決勝は全日本社会人決勝と同じ顔ぶれ、ゲームは松口・山口の一方的な展開に。堀は3年まえの決勝進出以来のベスト4、長江は初のベスト4。
決勝は出足から篠原・小林が凄い勢い、一気に3−0。松口・山口はそこから切り替えてくるが、風下で2ゲームかえしたにとどまった。今の篠原・小林に0−3となるのはヤン・リー相手に0−3になるのに等しい。そこから勝利を得るのはミッションインポッシブル それは不可能な任務、なのである。とくに風上からカットサーブ&ダブルフォワードに対するのは極めて困難。
松口は5年振りの決勝進出。小林とのペアで3位もある(2005)。山口は初の決勝進出、この山口の良さに感心する人が多かった。サウスポーでもあるし、今後に多いに期待したいもの。このペアでは5月の世界選手権予選でも最終4組に残っている。
篠原・小林は他の国内タイトルでは勝ちまくりながら、この天皇杯には、縁がなかった。なんと昨年の大会ではじめて最終日(準優勝)にのこったほど生みの苦しみをあじわった。 あとは世界あるのみ、27日開幕する第14回聞慶世界ソフトテニス選手権におおいに期待したい。